ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『アンドゥ家の一夜』
当て書きだろうくらいに登場人物のキャラクターが役者と通じ合い、生きている。42人の書き分けが見事です。すごいなケラさん、そんなにゴールド・シアターと稽古を持つ時間はなかったと思うのだが…。それにしても宇野役の葛西さんはどんどんすごいことになってってるな(笑)こないだはパンいちとかだったよね?おかしいとこ担当みたいになってる(笑)
終盤起こる奇跡はふたつある。
死んだ安藤の魂が、安藤の娘が持ち込んだ怪しい宗教グッズのような青い球に宿る。球は小動物のように部屋を転がり、安藤の妻はそれを追いかける。「いてほしい時にいつもいな」くて、安藤の生き霊が自分のもとに現れないことを気に病んでいた安藤の妻は、最後の最後で球に宿った安藤の魂と会話をすることが出来る。妻は過去の不義を告白し、それでも「あなたといられて幸せだった」と言う。安藤もそれに応える。ここにも肯定がある。
多分笑えるシーンでもある。青い球は黒子が糸で釣って操っている。それが観客にもハッキリ見えている。しかし釣り糸が見えていても、黒子がステージ周辺を走り回っていても、舞台上で必死に球を追いかける安藤の妻の姿を観て涙が出た。これは演劇にしか出来ないマジックだ。
そしてその球を、隣家の息子が捕まえてはしゃぎ乍ら持って行ってしまう。息子は83歳の役者が演じている。でも、彼は“ちいさなこども”だった。
これ迄ゴールド・シアターは「高齢者のリアルな身体を通した表現が出来る集団」と言うのが持ち味だった。「老けメイクをしなくても老け役が出来る」と言うやつだ。しかし、この“ちいさなこども”は、その枠から明らかにはみ出している。こうなると、「高齢者だから」と言うアドバンテージは必要なくなってくる。可能性が拡がっている!今後がますます楽しみです。
現場に居合わせた幸福感に満たされ、余韻も残る作品でした。迷ってる方は是非。
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■思えば
プロンプが入ってる芝居初めて観たかも。『夜叉ケ池』の丹波哲郎さんのあれは、本人が台本持ち込んでたからなあ(笑)
■しかし
こないだ『楽屋』を観たので、プロンプの姿にはいろいろ想像力が掻き立てられました(苦笑)
■そして
ケラさんはまた“柔らかい銀行”をいろいろいじめていた(笑)
あと最近か?前からだっけか?モチーフに象が出てくることが多いですね
06月27日(土)
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