ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『トーチソングトリロジー』楽日
そして字面にするとヘヴィーなこのストーリーは、舞台上では陽気だ。アーノルドの闘いを笑顔で観ることが出来る。その笑顔は、何もかもを乗り越える意志を持った笑顔だ。圧巻だったのはバックルームでのセックスシーン。照明、音響だけであの場を見せ切る演出は見事だったし、実に情けない、不様だけれど何故か笑える、顔も見えない相手とセックスしながらも陽気に振る舞う、そしてバックルームを出た後に、姿勢を正してゲイバーを後にする、たったひとりきりのアーノルドを演じた篠井さんは素晴しかった。これが今、日本の劇場に存在するアーノルドなんだ。

さとしさんもあの情けなさがハマッていたし(いやー憎めないねこのキャラは!パートナーはたまらんだろうがな…)、壮絶な幼少期を過ごしているのに、ドライでい乍ら不思議と諦観が感じられなかった(そうなる迄には本当にいろいろあった筈なんだ、彼は)デイヴィッド役の黒田くんも素晴しかったです。

スズカツさんの演出はますますシンプルになっていますね…。それが今回かなり効いていたと思います。見えないシーンでこちらが何を想像するかも大事。デイヴィッドのリクエスト曲がラジオから流れた時、ダイニングにいるアーノルドの姿は見えない。母親はそっと部屋を後にする。戻って来たアーノルドは煎れたお茶を持ち、笑顔で部屋に入ってくる。

ダイニングでアーノルドはどんな顔をしていたのか。それは具体的には見えないが、誰の心にも同じような表情が浮かんだのではないだろうか。

第3幕は6月で幕を閉じますが、12月に観れてよかったな。年末にいいものを観た。エミちゃんのピアノと歌もよかったです。ミュージックファイルがCDとして販売されていたので買っちゃった。

アーノルドの衣裳かわいかったなー。白いルームシューズに長い耳がついてるの。うさぎだー。パジャマもかわいい。部屋に置いてあるものも、シンプル、上品で、ちょっぴりガーリィ。

そうそう、楽日だったのでカーテンコールも微笑ましいものだったのですが、篠井さん謙虚過ぎ(笑)主役なのに!

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■チラシいろいろ
『写楽考』本チラ、『欲望という名の電車』速報ゲット

■『写楽考』
チラシの裏に、上演台本作成に関してスズカツさんがことわり書きをしています。うんうんこういうのは言っといた方がいいと思う

12月07日(木)
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