ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『隣りの男』楽日
人間の心の奥にある、触れてほしくないところをほじくり返す。見ないふりをするからこそ続けられる生活もある。いや、殆どがそういうものだ。そこを見せつける。当事者にしかわからない会話を描くので、第三者は断片しか見る・聞くことが出来ない。そこで何らかの事件が起こったとしても、それは第三者からすれば想像でしかない。
岩松さん、嫌いだなー、怖いなー。そんで好きだなー、面白いなー
■最後の八千代の声
「まだあげそめし前髪の〜」(島崎藤村の『初恋』ですね)は戯曲に明記されているんだけど、その後に流れる「あなたに許してもらわなければ、私には帰る場所はないのだ」(うろおぼえ)と言うくだりはない。これも何かの引用なんだろうか
■ちなみに
戯曲には、海へ行く話も、ロマンスカーのいちばん前の席でロマンス(笑)のくだりもない。文面の限り、八千代は竹田の部屋にはいない。初演ではどうだったんだろう。こっこっがっ、演出家・岩松了の恐ろしいところでもあるなあ。劇作家としても充分恐ろしいのになあ
■余談
『シブヤから遠く離れて』(昨年の自分のベストワン。感想はこちら)の時、戯曲に出て来る花のモチーフはゼラニウムだけだったんだけど、蜷川さんが真っ黒に枯れたヒマワリを舞台一面に配して岩松さんを驚かせたそうだ。こういう劇作家と演出家のガチンコバトルも楽しいよねー
■で
おーもりくんなんですが。
いやホント今回はよかった…いろいろ言いたいことがあるんだけど言葉になりませんわ〜、と言うか、昨日の呑み会で語り尽くしたんでもうねえ(涙)
まあちょっと書けば(書くんかい)竹田の孤独感がひしひしと伝わってきて、すごく切なかったです。あの古い家屋に5年間ひとりで住んでて、隣りの夫婦は自分ちに入り浸ってて、そのダンナは変な執着心があり、嫁はオンナ特有の気紛れで自分を振り回す。今度来る下宿人はちょっとおかしな女かも知れない。でも何かを期待せずにはいられない。日常をちょっと変えたいと思っている。でも、日常がちょっと変わること、と言うのは、自分の人生がちょっといい方向に動くか、とことん悪い方向に動くか、どちらかはわからないものだ。
巻き込まれるままにしておいた方が楽かも知れないし、安心かも知れない。でも、その「ちょっといい方向」を、ちょっとだけ期待している。そんな感じを、大森くんの竹田は、あの大きな背中ともっさりした横分けメガネ(笑)の佇まいで見事に表現していました。勿論見かけだけでなく、ちょっとした仕種、声色の効果も大きい。
カーテンコールでは前髪が全部落ち、表情も大森南朋に戻っていた。そのギャップにハッとしました
■最後のあいさつ
大森くんの仕切りで役者紹介、岩松さんを呼び込んで、小林さんは帰っていたので(笑)岩松さんが挨拶後、大森くんが大きな声で「本日はありがとうございましたっ!」と言いました。普段クールに振る舞って、醒めたイメージのある大森くんがあんなに熱い挨拶をするとは思わなかったので、驚いた反面ぐっときた。ちょっと泣きそうになった。春からいろいろあったし、ファンとしてはなんつーかまー、心が痛むこともあったんでね。
本人も手応えがあったんじゃないだろうか。これからの仕事も楽しみだな。おつかれさまでした
■戯曲
何故か劇場では販売されていませんでしたが、Amazonにはあります。興味のある方は是非。
『隣りの男 ―岩松了戯曲集』岩松 了
岩松了3本連続公演、これにて終了〜。面白かった!岩松さんの作品には再演してほしいものが沢山ある。またこういう企画があれば嬉しいな。
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■帰宅したら
丁度情熱大陸やってて、予告編で菊地さんが出た!うっはーホントにやるんだね!クアトロの「HARD CORE PEACE」がガンガンにかかって、当日のことを思い出してぞわっときた。オンエアが楽しみだ
06月26日(日)
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