ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ファウスト ―ワルプルギスの音楽劇』
峯村リエさんのマルテも愛嬌があってよかったです。だからあの最期は悲しかったなあ。彼女がもう少しマルガレーテと一緒にいられれば良かったのに。床嶋佳子さんのヘレナは、子供への愛情溢れっぷりがとても魅力的でしたが、展開が早い故そのシーンがあっと言う間に終わってしまったのが残念。

舞台構成はとても独特で、白井さんならではの不思議な感じがよく出ていました。天井とスライド式の壁がある舞台、スライドが動くことにより、台形にも三角形にも長方形にもなる。大きく分けてもシーンの転換(ファウストが移動する場所)数は18回あるので、このやり方は効果的でした。マルガレーテのいる牢獄のシーンでは、天井が下がってきて一気に閉塞感が増す。劇場の内装とも相まって、天国も地獄も目に見えるような恐ろしさがありました。

そして天井によって上からの明かりを封じているため照明が独特。舞台袖や、壁に映し出される映像からの明かりが多用されている。役者の顔にピンスポットが当たらない。マルガレーテとファウストの前述シーンではこれがとても効果的だったのですが、全編通してだとどういう意図なのか掴みかねました。アフタートークでお話を聞いて納得。

最後の最後、死んだファウストの魂を、約束通り奪っていこうとするメフィストを神が遮る。そこへマルガレーテが現れ、ファウストの亡骸へ寄り添う。これで良かったのかな、ファウストはともかく(笑)マルガレーテは…それほど彼のことを愛していたのねえとすっかりマルガレーテに持ってかれた3時間でした。

あーそれにしてもこの母子…『オスカーとルシンダ』思い出しちゃったよ。親が狂信者って言うか…。もう、こういうのしんどいわー。自分の身に憶えがあるからかも知れないけど。神を信じるってだけじゃダメなのかね。信じていることこそが信仰にならないのかね。何で自分はいつも罪深いと思ってなくちゃならんのかね。そういうことも悶々と考えてしまいました。

音楽劇としては、音響と生演奏の音が馴染んでいない印象を受けました。そして難解な曲が多い。唄う方も大変なんじゃないかなー。それだけこのストーリーの世界観を表したものだとも言えますが。中西俊博さんの普段見られない面を見られたようで面白かった。ファウストが死んでいくシーンの曲はよかったなあ…。

と言う訳で、すっごいいいシーンとう〜んう〜んなシーンがないまぜになっている状態でした。すっごいいいとこはすっごいいいいので、判断に困りますわ…う〜ん、でもこの劇場ならではのいいもん観たな〜と。なんか感想長いし(笑)

公演後のアフタートークにも参加してきました。長くなっちゃったんでこれは後日!

03月12日(金)
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