ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『セプテンバー11』
ボスニア人らしき女が、いつ故郷へ帰れるかの予測もつかないのに引っ越しの荷物を解こうとしない。毎月11日になるとデモに参加しているらしいが、今月は例の9.11だ。仲間の女性たちは「こんな日にデモをやっても…」と言う。しかし主人公はデモへ出て行き、やがて仲間もそれに続く。
うー、こちらの知識不足だ、申し訳ない。ボスニア=ヘルツェゴビナの細かい背景が判らない。せめてデモに使われていたメッセージボードに字幕を入れてほしかった。
正直日本からは、このボスニア問題は馴染みが薄い。UKのチャリティアルバム『HELP』からの知識が多少あったおかげで考えることは出来たが。『HELP』が出たのは1995年。今年2が出る。つまりこの紛争は今でもずっと続いている。

5.イドリッサ・ウェドラオゴ(ブルキナファソ)
これは爽快!語弊があるかも知れないがすごく面白かった。
貧しくてお母ちゃんが病気で働かなくてはならず、学校に行けなくなった男の子が主人公。彼はある日新聞を売っていて、あのオサマ・ビンラディンを目撃する。んなわきゃあない(笑)。しっかし似てるわけで…男の子はお金がほしい訳で…ビンラディンには2500万ドルの懸賞金がかかっているわけで…。そりゃ捕まえるっちゅうねん。男の子は友達を集め、ビンラディン捕獲の計画を提案する。
ビンラディンが悪いひとだからとか言うんじゃなくて、男の子たちは単純に懸賞金が欲しいのだ。計画が失敗に終わると、「じゃあ今度はブッシュが来た時に」とか言ってる(笑)どっちでもいいんだね!
勿論彼等が貧しいことは、今回のテロと無関係ではない。そんなブラックさを感じさせながらも、微笑ましい(そう、笑えるのだ)モチーフで最後迄持って行ったこの手腕はお見事。

6.ケン・ローチ(イギリス)
1973年の9月11日にチリで起こったクーデターをテーマにしている。アジェンデ大統領の暗殺→政権交替→ピノチェトによる独裁政治の恐怖を、ドキュメント映像を交えて追っていく。政権が変わり母国を追われた男が、アメリカの同時多発テロの遺族へ手紙を書く。その悲しみが解る、と。
正攻法でいて説教くさくない。しかし今回のテロとチリ政権の事情もはっきりさせている。11分の枠でこれだけの情報量を、きちんと自分の思いを込めて表現出来るのは凄い。圧倒されました。


TVはここでひと段落。続きは次回。

09月16日(月)
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