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西方見聞録
by マルコ
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■川は流れる
どこまで話したっけかな。
この日記は18年前、当時0歳と5歳の娘を連れて東京から奈良に引っ越してきた日々をつづるために始めた。
当時私は国際協力NGO専従スタッフを退職して夫の転勤に付き合ってこちらにやってきた。関西でのキャリアを1から築くべく、博士課程に進学し、あっちこっちで非常勤講師をしながら勤労学生として2児を育てた。まあ夫のあめでおさんが2児の扶養義務を負ってくれたので私は気楽なバイト学生だったともいえる。
そんでまあいろいろあって、私は18年前に入学した博士課程のある大学の准教授を今は勤めている。
2児も上の子は今年沖縄の大学を卒業して、4月から働き始める。今は赴任地がガラガラポンでどこになるのか、就職先の会社の決定を待っている。
この日記が始まった時0歳だった下の子は姉から聞く楽しいばかりの沖縄大学生活に夢を抱いて、あっさりと姉と同じ沖縄の公立大学への進学を決めた。この3月の末には彼女もまたこの奈良の家を出ていく。
「寂しいか」と多くの人が私に聞く。上の娘が沖縄の大学に進学すべく奈良を離れた5年前は、ちょうど現職を得たところであまりに忙しくて、実はあまり記憶にない。今回はどうだろう。
下の子にも聞かれたので「5年前寂しいかってみんなに言われたけど、寂しくなかったから多分今度も大丈夫」と答えたら
「ばかだなあ、5年前は私が残ってたから寂しさは半分だったんだよ。今度は二人ともいなくなって寂しさは2倍なんだよ。わかってる?」
あれま、ずいぶん粋なことを言うようになったじゃないか、あのゼロ歳児が。0歳児も18年たてばいっぱしの大人になるんだなああ。でもご期待に沿えないかもしれない。多分私は寂しくない。寂しいと言うことが許されるほどあなたたちに人生をささげなかった。わりと自分のことでいっぱいいっぱいで片手間で子育てをした。濃やかな親じゃなくて、テキトーな親でごめんなさいとも思うけど、まあそれで楽だったでしょ?あなたも私もとも思う。
さて、もう子どもが小さいから、とか子どもが受験だからとか、言い訳は効かない。自分のことでいっぱいいっぱいな日々を続けよう。
ときどき娘の大学街やら赴任地に夫のあめでおさんを旅の相棒に遊びに行けたらいいと思う。
02月21日(日)
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