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西方見聞録
by マルコ
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■標的の村
今日は阪神間で用事が在って出かけたんだけどキャンセルになっちゃったから、七芸の1階下のシアターセブンに行って標的の村を見た。
標的の村に関してはこちら。
この日の私の行動のいろいろな背景についてはここに詳しい→FBの当該日メモ
オスプレイ配備のためのヘリポート基地の建設が予定された沖縄の高江集落の住民たちが「人間らしく暮らしたい」という普通の望みをかなえるための壮絶な闘いの日々が描かれる。
人権とは「抗議対象があってはじめて必要とされる観念であって、その抗議対象との関係でのみ具体的な意味を獲得する」(石,2012 p.4)とはすでに先人が述べているが、人権てのは抑圧されて初めて可視化するものだなああ!と思わせる映像だった。人間らしく暮らすという<人権>が「具体的な意味を獲得する」現場がばっちりスクリーンに映し出される。戦後延々と繰り返されるアメリカの抑圧、アメリカに沖縄を差し出そうとする日本政府からの抑圧、日本政府からの抑圧を代弁せねばならない現地の官吏の住民への抑圧がばっちり描かれ、絵に描いた餅でない生身の人権(そして今まさに冒されている人権)がスクリーン一杯に映る。
軍備なんていらない!
というために日本は多額のODAを投資し、近隣諸国と友好関係を結ぼうとしていたのではなかったのか。ここ数年、勇ましいことを言って近隣国との緊張状態を産み、ナショナリズムを掻き立ててグローバリズムの中で揺らぐ国家の意味を安く再確認しようとしたナショナリストでショビナリストの政治家たちとそれは選び続けた選挙民がこの高江の人々への暴力的な抑圧をまさに生んでしまったのだ。
高江の住民の痛み、沖縄の痛み、その痛みに直接つながってる私たちが生み出し続ける抑圧の意味をとても鮮やかに描いているドキュメンタリーだと思う。多くの人がこの映像にアクセスすることを望む。 おすすめ。
参考文献
石賦w 遠藤比呂通編「沈黙する人権」法律文化社
03月06日(木)
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