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西方見聞録
by マルコ
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■中枢まであと何マイル?
 本日はワタクシ何の因果か「じぇんだーろん」を講義させていただきました。市民活動の基礎知識、って感じでさわりだけさわっとさわるんでございます。

 なんかじぇんだーの話とかするとまだ社会に出てない学生さんらは「女性差別とかいろいろ言っても今は女に出来ない仕事なんてないしさー」「むしろ女が強すぎて困るんじゃないの〜」なんて御気楽な意見もでます。

 そういうご意見には例えばこんな統計をご紹介します。

(出典は「地球市民教育のすすめ方 ワールドスタディーズ・ワークブック」)

世界の男女間の収入差を比較すると
女性「1」に対して男性が「9」
所有資産で比較すると
女性が「1」だと男性が「99」

と、まあ圧倒的。

そうすると「そりゃあ、途上国の統計が入ってくるからでしょ。先進国はいくらなんでもそんなことないでしょ」というので「じぇんだー指数で世界で上から18番目のイギリスの例として枢要ポストへの女性のアクセスの数字を」挙げてみまする。
   
        男性   女性


経営者     90%   10%

上級公務員   93%    7%

外科医     98%    2%

裁判官     97%    3%

公認会計士   92%    8%  




 てな感じでいわいる社会の中枢ポストはもう全然男性比率が高くって少数の運と実力に恵まれた成功女性は存在するものの、これだけはっきり差があるとやっぱ何らかの阻害要因の存在は疑いようがございませぬ。


 そんでここまでしたり顔でじぇんだー語ってきて、こっからチャングム系の話題で申しわけありませぬ(ご安心ください。講義ではフェミニズム人類学の理論を使ってこの先は説明しました。ネットではチャングム理論を使ってこの世を解き明かしてみせませう)。

 チャングム世界は48話で一応話の縦糸だった復讐劇が終了してその後、49話でちょっとお休みして50話から最終話の54話までチャングムが朝鮮史上初の女性の「御医=王の主治医」になる出世への道が語られるわけです。(ちなみに制作側は復讐劇が予想以上に長くなっちゃったので出世劇を70話までやりたかったらしいんですが、キャストがそんなん死んじゃう、とついてこなかったということです)

 そんでチャングムが女性が付いたことのない社会の枢要ポストである医師の頂点に上り詰めるまで毎回すごろく形式で女性の出世の阻害要因が語られていきます。ちなみに物語の舞台の16世紀の朝鮮というのはものすごい儒教が社会の根本原理として存在していて女性差別は結構きわまってます。

 阻害要因1「恋人との幸せな結婚」
 50話は、恋人のみん・じょんほ様とチャングムの駆け落ちシーンから始まります。逃げる理由は出世を拒んだってわけではないけど少なくてもみん・じょんほ様のほうは王が主治医にチャングムを指名したことを知ってて逃げます。科挙制度や儒教社会の根底を揺るがす「ご指名」なわけですからもしその場にとどまってたら、チャングムは政治的にもみくちゃになるのは目に見えています。そうそうもみくちゃになるよりは恋人と結婚して地方で医院を開業しましょう。という結論に到達する訳です。まあこういう理由で1線から退くことを「納得」するというのはよくあることでしょうな。

 阻害要因2 「職場の仲間の離反」
 50話後半チャングムは駆け落ちから戻ってきます。単純にめっかっちゃったってのもあるけどみん・じょんほさま的には「人は身分や性別や人種によって判断されるのではなくその人格で判断されるべきだ」というマーチン・ルーザー・キング的哲学の政治の場における実践が朝鮮の歴史を変えるのであるという信念に基づいてのご帰還だったようです。でもかえってきて主治医就任を承諾すると同僚の医師・医女は1人を残して全員が辞職願いを出します。まあ現代ではここまでって事はないかな。辞職はしないけど、いじめはあるかもね。

 阻害要因3 「側近のスキャンダルの攻撃」

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10月30日(月)
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