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西方見聞録
by マルコ
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■いい夢ばっかりじゃないけど悪い夢ばかりでもない 結
またダーウィンの悪夢について島津さんがここで言ってるみたいに、普通のタンザニア人が出てこないな〜というのもマルコも共通して抱いた感想です。売春婦さんもストリートチルドレンもエイズの問題も確かに広く見られ、対処していかなければならない問題だけど、それ以外のマジョリティーである普通に学校に通う少年少女やエイズに罹患してない農村女性や職業婦人は一切出てこない。
またこの映画の後、映画に出演したタンザニアの人々がものすごくバッシングされたと聞いてマルコはやはり『隠し撮り』というドキュメンタリーの手法に強く疑問を感じるのです。それが強者に向けられたときは何らかの打開策として役立つか?とは思うけどこの映画に出てくる夜警(アスカリ)なんて絶対的なグローバルに弱者な人々にそれをする意味があるのかな?アスカリが「戦争にならないかな〜、兵隊やってたころは人なんかたくさん殺したよ」って語るんですが、あれ絶対なんつうのかな、夜、男同士でやる与太話って言うかほら話ですわ。うちの上司もよく宴会で与太ってました。『公務員の給料なんて俺にとっちゃビール代にもなりゃしねえ』って。
そういうアスカリの与太話をまるでアフリカ人は普通に戦争したがってる的に切り取ってくるんですから、このドキュメンタリー作者のアフリカに対するこういう世界観を色濃く反映していると思います。この写真、掲示板のほうでいとなんも不快感を示していましたが、映画のポスターとして普通に使われました。どういう場面かというと湖のほとりで魚のアラを調理していたストリートチルドレンたちがアラを取り合ってけんかになってアラをとられないように必死になってる場面からとってきたんですよね。
この映画後アスカリもアスカリを映画監督に紹介した人もみんな解雇されたそうです。唯一映画に映った学校に行っている子どもであるアスカリの息子は今学校に行けているのであろうかと考えると切なくなります。
ダーウィンの悪夢はわかりやすく(すぎるくらいに)いろんな問題を提起した点は評価します。見た人はこれをきっかけにもっと多様なアフリカを独自に探してほしいと思います。この「ドキュメンタリー」はやっぱり話題性のためにもっともセンセーショナルな部分をつないで編集されているということを前提に。
03月13日(火)
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