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西方見聞録
by マルコ
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■奔流の漏れいずる穴〜書評ホワイトネイション(2)
しかし彼女は氏のこの所収文書の最後一節の朝鮮人虐殺はルワンダと何も関係ないじゃないかと怒り、そして
「現在はアメリカ在住のようですが、ぜひ、氏のルーツの韓国でも朝鮮でも帰られたらよいのではないかと。ついでに韓国人男性なら義務のはず、の軍隊で少し揉まれて来たほうがよいのでは?」

とのべる。町山氏の父上が韓国・朝鮮系であったことの一点から彼女は町山氏を自分よりナショナルな資本の蓄積の低い存在と定義付け、すでに日本に帰化している町山氏に対し韓国に行って軍隊云々という暴言を吐く。「国に帰れ」と言うのはハージの言う統治的帰属感を発露させる際の邪悪なナショナリストのの典型的言説だ。彼女は町山氏を客体化することで自らの統治的帰属を表明するのである。こうしてか弱い彼女は権力のファンタジーに陶酔する。

 彼女に対する町山氏の返答。いったん町山氏はこういう返答もして、彼女に対して「日本国民の義務である義務教育も受けてないのか?」と彼女のナショナルな資本に疑義を呈して彼女と同じ「権力場」に立ちかけるのだが、結局は彼女とナショナルな資本争いの不毛な競争は避け、コスモポリタンな視点から「隣人への暴力」への考察を行う方向へと進んでいった。

 彼女のブログにあるたくさんのコメントをはじめ、多くの国や世界を憂える市民の発信であるブログ(含む拙日記)も統治的帰属を求める闘争の権力場と解釈すると、「理解」しやすい。


 さて次回は邪悪ではない普通の人々がなぜいま、ナショナルな方向へと舵を切っているのか。ハージの道案内でちょっくり考察したい。


(すんません。土曜の夜に1回アップしたんだけど、自分の思いが濃すぎて独走しちゃった部分にちょこっと説明を加えて再投稿@日曜の夜 しつこく加筆、火曜の昼木曜の昼リンクその他ちょっこり修正)

03月04日(土)
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