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西方見聞録
by マルコ
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■それはちがうよトットちゃん
また日本ユニセフ協会の職員のみなさんは私がお話しを聞いたときはスタッフ全員が学校教師経験者で、そのすぐれた説明能力で全国の学校へ出張講演を行ってました。日本の学校に対して組織的に開発教育を行っているんですわ。またユニセフ本部が開発した参加型の開発教育の教材を日本語に翻訳・出版するなどしており、これも大変優れています。マルコも専門学校でも大学でもそうした日本ユニセフ協会が紹介している教材を使って参加型のアクティビティを実施しています。
とくに「コーヒーゲーム」という南米のコーヒー農家がグローバル経済の中でいかに翻弄されるか、コーヒー農家になって4年間の収穫をしながら国際企業と渡り合い、年間30ドルのもうけを出してどうにか長男だけでも小学校にやろうと格闘するというゲームがあります。これを行うと南北経済の中でいかに一次産品の生産者が不利な条件の中、生産活動を行っているか良くわかります。たいていのプレーヤーは年間30ドルのもうけが出せずに、借金のカタに自作農から小作に転落してしまうという大変楽しいゲームです。そして日本がアメリカに次ぐ、世界第2位のコーヒー消費国としてそのコーヒー農家の苦しみにいかにダイレクトに関わっているかもわかる仕組みになっています。
この教材を講義で使うようになって以来、マルコは家ではコーヒーはフェアトレードコーヒーをなるたけ飲むように心がけていますし、私のこの講義に出た学生の何人かはフェアトレードコーヒー愛用者になっています。
とにかく日本ユニセフ協会は豊富な資料をもとに数々の優れた開発教材を日本社会に提供しつづけており、マルコはその点でこの団体を高く評価しています。日本ユニセフ協会自体への寄付だったら進んでしようと思います。
駄菓子菓子、NGOに資金提供する意義の「1、北から南へのオールタナティブな資金の流れを作り出すこと」に関しては日本ユニセフ協会は既存の国連団体(国連ユニセフ)にお金を預けるというだけで、オールタナティブなお金の流れを創出するにいたってないのが、つらいところです。国連のお金の流れは基本的に2国間援助のお金の流れと現在そう大して違いません。相手国政府からその下の自治体へとお金をおとしていく方法です。政府の利益供与に繋がれない先住民や被抑圧的な位置にいる最も支援の必要な人々にはお金は流れません。そして税金からODAというかたちで、すでにお金が流れています。ODAには2国間援助と並んで国連拠出金も払っているのでそんなに何重にも同じルートでお金を落とす必要はないのではないかと思います。というのは援助資金の流れにはたくさんの落とし穴があるので流れるお金のルートは出来るだけたくさんあったほうがどれかはたどり着くのです。すでに利権が発生してしまっている公的ルートよりもそれこそ直接現地NGOとのタイアップでお金が流れていく民間の国際協力団体の方が効率良く草の根にお金が届く確率は高いと私としては思います。(まあこのときよく団体を吟味することをお勧めします)今お勧めなのは日本のNGO御三家(JVC、シャプラニール、SVA)と外資の2台巨頭(プランインタナショナル、ワールドヴジョン)でしょうかね。マルコの古巣もオールタナティブなお金の流れの創出という点ではなかなか健闘してます。ここでは名前を書かないけど。
まあそんなわけで、トットちゃんが一円でも多く云々と仰ってるのは、何重にも、とっても間違いだと思います。1人のスタンドプレーで世界の貧困は解決しません。お金のながれのシステムつくりと貧困につながる先進国の消費行動への警鐘という2つの大きな目的を彼女は見失い、貧困問題に取り組んでいる訳です。
たいていNGOに寄付するのと同時に途上国の情報を伝えてくれるニュースレターの類が団体から届けられますのでそういうのは良く読みましょう。ちゃんと情報を出している団体は良い団体です。そしてそのニュースレターから感じて、今途上国の問題の原因となっている先進国の過剰消費について考えて行動を起こすのがよろしいんではないかと思います。
いろんな立場の人がそれぞれできる消費行動の変容に取り組んでみては良いんではないかと思います。
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11月12日(土)
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