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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ロッキーと兄弟仁義




 何気なくクルマの広告を見ていてふっとスバルの新車種が気になった。REXという名の小型SUVである。よく写真を見ると、オレが乗っているロッキーとよく似ている。いや、似ているというレベルではない。同じである。なんということだ。

 スバルREXはトヨタライズと同じく、ダイハツが製造する車種なのである。OEMでスバルに供給されるだけのことであり、中味はまんまロッキーなのである。またしてもオレのロッキーの兄弟が増えたのだ。

 オレは長いことマニアックなクルマをマイカーにしていた。日産のパルサーEXAは燃費のいいおしゃれな2ドアクーペだった。荷物もよく積めて旅行では便利で、軽量故にかなりスピードも出せた。名神高速でパトカーに追尾され、改造を疑われてボンネットを開けられたこともある。

 二代目EXAはTバールーフ採用の変わったデザインのクーペだった。今の職場に移籍してしばらくはそれに乗っていたので、不思議がられてよく「何というクルマですか?」と訊かれたものである。

2000年に生産打ち切りの報道を知ってあわてて三菱FTOを購入した。2015年までに22万キロ走ったが、一度もクラッチ交換しないで済んだのは僥倖である。よほどオレの運転技術が優れていたということだろう。そしてFTOから買い換えたのは、ホンダS660だった。こうしてオレはずっと2ドアクーペを愛してきたのである。しかもそのどれもが大衆の興味とはほど遠い不人気車種だったのである。

 だからオレは街で自分と同じクルマを見かけると、同好の士に出会えたような不思議な親近感をいつも覚えていたのである。

 しかし今は逆だ。街でロッキーやライズを見る度に、自分がありふれたクルマに乗ってることが悲しくなるのである。かつては誰も買わないとんがったクルマを乗り回すことが自分の誇りだったはずである。ところが今はどうだ。そこら中に兄弟車が走り回り、その中には贅沢にゴテゴテ純正パーツで架装してるのとかもあり、明らかに自分よりもカネをかけてるものが多いのである。さらにマイナーチェンジで e-SMART HYBRID という低燃費でしかも自動車重量税も安くなるのが選べてしまえるようになったのだ。ますますこれでは肩身が狭いのである。

 これからさらにスバルREXという兄弟も増える。オレはいつまでこのロッキーに乗り続けるのか迷っているのである。でもいずれ待ったなしに免許返納がやってくるのである。悩んでも仕方ないのである。

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01月20日(金)
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