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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■国葬に見る同調圧力




 安倍晋三の国葬の日が近づいてきた。ネット上の右翼言論人や政権幇間芸人たちの発言で多く見られるのが「日本人なら国葬に反対するのはおかしい」という発言である。この「日本人なら」という部分にオレは少しひっかかるのである。そして国葬に反対する人は「極左暴力集団」というレッテルを貼ろうとする。

 これは戦時中に「非国民」と呼んで戦争に協力しない人をいじめた構図とよく似ている。ただ戦前との大きな違いは、国葬反対者の方が実は多いと言うことである。もしも非国民の方が多かったら戦争できなかっただろう。しかし岸田政権は国葬を強行する。多くの批判を受けながらも、「安倍晋三は偉大な政治家だった」というシナリオを完成させるために、そして彼の多くの犯罪や破壊への批判を封じるための材料として、そして無視できない統一教会の宣伝目的として、この国葬は利用されるのである。

 世界の要人が多くやってくるので「弔問外交」が展開されると政府は期待しているが、そもそも外交というのはそれぞれの国が自国の利益のために行うのであり、そんなところで挨拶したから結果が変わるようなものでもない。これまで気前よく世界中にゼニを配ってきた安倍晋三が岸田に代わったことでどう変わるのか。それを確認するくらいの効果を国葬に参列する外国の人たちは求めてるのだが、それも政権首脳が来るのではなくてすでに引退した人たちがほとんどなのである。

 そんな無意味な国葬なのだが、反対者には「非国民」「それでも日本人か」という罵声が浴びせられる。そして「死者を悼むのは日本人なら当たり前」と言われるのである。まるでオレのような国葬反対者は死者を悼む思いやりの心がないという言われ方である。しかも「極左暴力集団」なのである。オレはそんなに最低の人間だのだろうかと悲しくなるのである。それでもオレは国葬に反対という気持ちは変わらないのだが。

 国葬を支持している人たちの発言の背後にあるのは「安倍晋三は成果をいっぱい出した立派な政治家」という幻想である。実際はあいつはろくなことをしなかったわけで、近年まれに見るクソ野郎だったというのがオレの実感である。

 安倍晋三に対する国民の評価は両極端だ。反対派の方が圧倒的に多いと言うことは、安倍晋三を立派な政治家ではなくて嘘つきのクソ野郎だったと認識する国民の方が多いということである。そんなクソ野郎のことを偶像化して立派な人物だったという物語を完成させ、最後に統一教会の広告塔としての役目を果たさせるために国葬は強行される。最後まで自民党の目的は統一教会を繁栄させることだったのである。

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09月25日(日)
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