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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■最低時給1500円にする方法



 最低賃金を上げれば中小企業がその負担に耐えられずにつぶれると主張する人がいる。しかし、賃金を下げれば若者はその生活に耐えられずに生活が破綻する。企業と若者、どっちを守ればいいのかと言われれば若者を守りつつ企業も守りたいわけで、そこでオレが出す解決策が「500円保証法案」である。若者は最低時給として1500円以上の金額をを受給し、500円分は国が雇用主に支払うという形をとり、どの企業にいくら支給したかということを公表するのである。コンビニは元締めにその金額を支給してFC店に必ずその賃金加算分を支払うことを義務付ける。どの会社が国からいくらもらったかということをすべて公表させれば、不正があった時もすぐにバレるわけである。

 もしもアルバイトで週に30時間働くとすれば月に約120時間、そこに時給1500円だから18万円ということになる。これでも少ないのだが、いずれ最低時給1500円では人が集まらなくなっていくので自然に賃金は上昇して行くことになるだろう。そしてこの制度のよいところは、単なるバラまきとは違って働いた人がその労働時間に応じて分配を受けるということである。

 若者を豊かにしないと未来の世代が心配だということはオレはいつも感じている。大学生がバイトで得たゼニで安い中古車を乗り回すということはオレの時代には可能だったが、今は所有そのもののハードルが高くて、自動車メーカーはさまざまなカーシェアや残価設定リースなどで対応しているがそれでも不十分だ。やっぱりゼニがないと何もできないのである。

 山本太郎さんは「奨学金徳政令」を掲げるが、この制度の問題点はすでに返した人とのバランスである。数年前に必死で返した方々と、今借金がチャラになってしまう人との差があまりにも大きいのである。もしもこれを導入するならば、過去10年くらい遡ってチャラにしてあげないとだめだ。そして新規の奨学金の支給に関する厳密なルール作りが必要となってくる。今、奨学金を抱えてる若者に対して企業が採用優先枠を与えたり、その奨学金の一部を肩代わりする制度などもあればいいかと思うのである。オレが大学生だった頃は「日本育英会」という団体が奨学金を運営していて、教員になればそのお金を返済せずに踏み倒すことができたので、オレの周りで教員になってる方には踏み倒してる方が多かったのである。オレは大学入学時には教員になる気が全くなくて申請しなかったが、今でもその育英会の奨学金を受ければよかったのにと思っている。そのゼニがあればバイトを減らしていかに勉強に打ち込めただろうかと思うのである。

 そうしたらオレはアカデミックな世界に進み、今頃は大学の教員になっていたかも知れず、結果として日本学術会議のメンバーだったり研究費の不正受給で告発されていたかも知れないのである。しかし、オレの性格を考えればまじめに学問に打ち込むどころかその奨学金でさらに旅行三昧だったかも知れないのである。おっと、それがテーマではない。

 最低時給を上げれば、社会の底上げにつながる。少なくとも「働かずに生活保護受けた方がマシ」という主張は減ると思うのだ。そうしてもっとも貧困な人たちがレベルアップすれば、その少し上の人たちの生活ももっと豊かになり。豊かな中間層の創設にも寄与するのである。

 自民党が小泉純一郎以後に進めた新自由主義の規制緩和や構造改革は結果として日本社会の中抜きシステムを強化し、竹中平蔵のやってる口入屋とか、電通みたいなクソ広告会社を跋扈させ、維新の会みたいにその仕組みを悪用して私腹を肥やす集団を生み出した。岸田文雄がその方向を本気で見直すつもりならば、失敗の原点に立ち返ることである。小泉純一郎以前に戻ることだ。

 郵政事業のの再国営化、公務員の待遇改善、教員の数を増やして職場環境を改善すること。労働者を使い捨てにするひどい社会をきちんと立て直すことである。竹中平蔵を追放することである。


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10月14日(木)
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