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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■アフターコロナの世界とは何か?



 世界がグローバル化に突き進み、まるで各国政府が多国籍企業の下請けとなってしまったのが2019年までの世界の姿だった。日本政府もその出先機関の一つに過ぎず、種苗法改正などはモンサントのような巨大企業の支配力を強めるだけだった。国産の品種改良されたものを守るためだけならもっと別の方法があったのに、自民党政府はいとも簡単に外資の軍門に下ったのである。国益よりも献金や自分の利益を優先する低レベルの政治家が増え、教養もなければ未来を見通すだけの賢さもない安倍晋三のようなカスが長期政権を維持した。もはや日本は取り返しのつかないレベルまで壊れてしまったのである。

 そこにやってきた新型コロナウイルスという災厄は、世界のグローバル化に歯止めをかけた。人の移動そのものができなくなるという事態は全くこれまで想定されてなかったのである。日本から海外に行けないだけではなく、海外から日本への来訪者がほとんど消失したのだ。グローバル化どころか、孤立化、非流動化こそが各国の生存戦略となってしまったのである。もしもすべての必要材を国内でまかなえるような国があれば鎖国することで新型コロナウイルスの流入を100%止められた。食糧自給率が低く、中国の回し者みたいな政治家が多数いるわが国にはボンクラの政治家がそろっていてまともな司令系統もないし、中途半端な規制しかできない国家体制である日本がまともな戦略を打ち出せなかったことは容易に想像できる。

 ワクチンが普及して新型コロナウイルス感染症拡大が終息した時、果たして世界はもとのように戻れるのだろうか。マスクをして外出するという日常はなくなるのか。そもそもこの感染症は収まることなどあるのだろうか。もう二度と過去は戻ってこないような気がするのである。

 感染者の多い国とそうでない国の違いは、そのまま国民の自由度と為政者の能力との二つの要素による。国民の自由度の低い国ほど行動を規制しやすいし、為政者の能力の高い国ほど正しい封じ込め政策を実行できる。前者の代表が中国なら、後者の代表が台湾である。そして世界で最も国民の自由度が高いアメリカは世界一多い死者が出ることになってしまったのである。

 国民の自由度が高く、為政者の能力が世界一低いという最悪の条件がそろっている日本はなぜか初期の段階では感染拡大が抑えられた。しかし、そこで政治家たちは安心してしまったのか経済優先に舵を切るために禁じ手の「GO toキャンペーン」という政策を導入してしまったのである。利尻島や沖縄の離島で発生したクラスターなどは明らかにこの政策のせいである。せっかく恵まれた状況がったあったのに安倍晋三や菅義偉はそれをぶち壊したのである。旅行業界からの政治献金が欲しいというゼニのために国民の健康を売ったのだ。

 アフターコロナの世界とは何か。それはまず「反グローバル化」の流れである。多国籍企業の支配からの脱却、そして各国独自の移動制限や国家間の信頼関係の再構築、日本のように政治家の質が低い国への容赦のない批判ということが起きるだろう。新型コロナ対策に失敗した国は政権交代が起きるかも知れない。日本の場合も政策的には完全に失敗しているが、国民の政治関心が低すぎるという特殊事情があるので政権交代はまだ起きない。起きてほしいところだが、あれほどクソ野郎ぶりを見せつけている菅義偉をまだ4割も支持してるのだから国民の中に馬鹿がいかに多いかということである。馬鹿の心さえつかめば日本は選挙に勝てるので、衆愚代表としての自民党政権は安泰である。

 日本国内を見れば、鳥取県や和歌山県のように検査能力が高く保健所が十分に機能しているところが感染数を抑えることに成功している。大阪のように検査能力の低い自治体は濃厚接触者の基準を厳格にして減らすことで検査数を絞り込み、結果として無症状感染者の拡散を招いてしまった。同様のことは海外でもあてはまるだろう。

 為政者の能力の高さで完璧なコロナ対策に成功した台湾。逆に国民の支配を強化して強制的に抑え込んだ中国。この二国以外に封じ込めに成功した国があればその理由が知りたいのである。このことで台湾の国際的地位が上昇し、それが中国への牽制になることをオレは期待している。


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01月01日(金)
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