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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■真のインサイダーは誰だ?
欠陥エアバック問題で経営破綻したタカタの社員が、タカタが民事再生法を申請する前に持ち株を売却したことがインサイダー取引にあたるとして証券取引監視委員会は9人の元社員の男女に合計770万円の課徴金の納付を勧告した。この9人は管理職で、経営破綻の事実を会議やメールで知ったという。
株式投資をしていて、自分が株を所有している会社がヤバいと思ったら売却するのが普通の行動である。自分が勤務している会社の株を愛社精神から保有していたとしても何もおかしくはない。個人が購入することも売却することも全く自由であるとオレは思っている。そういう取引をいちいちチェックして「インサイダー取引」だと告発することに何の意味があるのか。せいぜい数万から数十万の金額のことだし、それが日本の株式市場の大きな悪影響を与えているわけでもない。どうして倒産する会社の株を「社員だから」と紙切れになるまで売ってはならないなんて言われるのか、ふざけるなと言いたい。
2007年1月、大手菓子メーカーの不二家が賞味期限切れの牛乳を使用したシュークリームを出荷していたことが発覚して洋菓子の製造販売を一時休止し、不二家の株価が暴落したことがあった。一日休業すれば1億円の売り上げが失われるという。株価はわずか二日間で15%も下落した。ただ、事件発覚後すぐに不二家株は空売り禁止の措置がとられて個人投資家は空売りできなかった。
ところがその不二家株をゴールドマンサックス証券は空売り目的で5%以上大量保有していたのである。11月中に不祥事を知った不二家の幹部はその対策やもみ消しの方法について協議していた。ゴールドマンサックス証券はその情報をなんらかの方法で手に入れたから借り株などの方法で調達して大量保有していたのである。
大量保有の報告と、実際の取引の間にはタイムラグがある。暴落した理由の一つが、ゴールドマンサックスが借りた株を売却したからだと考えれば説明がつく。ゴールドマンサックスは後で値下がりした株を買って返却すればよかったのである。この明らかなインサイダー取引は全く問題にされることもなかった。証券取引監視委員会というのは名ばかりの組織であり、本当に問題にしないといけない悪質なものを告発したことは一度もないのである。おそらくそうした大掛かりなインサイダー取引の背後には政治家や暴力団が関係していて、下手に告発すると「余計なことをした」という理由で自殺に見せかけて殺されたりするのだろう。そうした闇の部分には手出ししないというのがお約束なのだ。
2008年9月、東証一部に上場していた新興不動産のジョイントコーポレーションはマンションが売れず経営不振のために株価が80円まで下がっていた。ところがオリックスが100億円出資するという救済案を発表した直後に株価は連日のストップ高を続け、9月11日には321(+80)円、12日は401(+80)円の買い気配をつけていた。400万株近い買い注文に対して、売り注文は100万株しかなくそのまま高値に張り付いていたのである。ところが前場終了間際に突如300万株の売り注文が出て一気に崩れた。おそらくインサイダー取引の本尊が平均100円程度で集めた株をこのタイミングで一気に放出したのである。入手した株の平均単価が100円で300万株あれば、300×300万株=9億円という利益を得たことになる。
誰がこのインサイダー取引の主役だったのか。情報を入手したオリックスの関係者か、それともメインバンクのみずほコーポレート銀行か、それはオレのような一般人が知ることはできない。
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03月02日(土)
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