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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■奈良県警の取り調べは拷問ですか?



 昔の警察では容疑者を厳しい取り調べによって自供させるということが日常的に行われていたらしい。そして疑いをかけられた人がその拷問で殺されることも起きた。プロレタリア文学の作家だった小林多喜二が死んだのは特高警察の拷問の結果である。それがかつての警察の姿だったのだ。
 もしも同様のことが今の警察で起きていたらどうなのか。6年前に奈良県警は取調中の拷問の末に容疑者を殺害した可能性があることを、法医学の専門家が告発している。記事を引用しよう。

医師死亡は「警官の暴行の可能性」法医学教授が告発
毎日放送 11/15(火) 19:19配信
 6年前、奈良県警に逮捕された医師が勾留中に死亡したのは、警察官による暴行が原因だったとして、法医学の専門家が刑事告発しました。
 6年前、当時大和郡山市にあった「山本病院」の医師が(54)肝臓手術のミスで患者を死なせたとして奈良県警に逮捕されました。逮捕当時、医師の健康に問題はなかったといいますが取り調べが続く中、19日後に死亡。警察は「急性心筋梗塞だった」と発表しましたが、遺族は納得できなかったといいます。
 「亡くなった当時の警察の対応があまりにもひどい状態だったので…」(医師の妻)
 遺族が遺体の鑑定書を請求したところ、なぜか全身に皮下出血が。特にひどかった右脚はどす黒く変色していたといいます。遺族から相談を受けた法医学の専門家は、取り調べ中に警察官から暴行を受けた疑いがあると指摘。このけがが原因で「クラッシュシンドローム」と呼ばれる状態に陥り、急性腎不全を起こして死亡した可能性があるとして、奈良県警に告発状を提出しました。
 「あれだけ広い範囲に打撲を受けて出血している。常識的に考えて足を蹴られたんだろうと」(岩手医科大学法医学 出羽厚二教授)
 奈良県警は「告発状の内容を検討中でまだ受理していない」としていますが、警察官の暴行は否定。右足の皮下出血については、こうコメントしています。
 「医師には大きな音を立てて足から座る癖があり、その座り方によってできた傷だと考えている」(奈良県警 監察官のコメント)
 告発状を提出した法医学の専門家は―
 「奈良県警にとっては言わば身内が疑われている。これを本当に調べることができるのか。残念ながら日本のシステムでは他に訴えるところがない。ぜひ今後の経過をよく見ていただきたい」(岩手医科大学法医学 出羽厚二教授)

 この「山本病院事件」というのは、大きく報道された事件である。手術をしていないのにしたことを装って診療報酬をだまし取ったり、経験のない手術を行って入院患者を死亡させたりという多くの問題が明らかになり、当時は筒井康隆のSF小説「問題外科」を再現したような事件だと話題になった。確かに新聞報道を読みながらオレはその病院の理事長のや医師たちのことを極悪人だと思った。しかし、だからといって警察が拷問で死なせても良いわけではない。

 きちんと取り調べをして、行われた犯罪の中味を明らかにしてその行為に対して相応の罰を与えるのが司法の役目である。ところが「全身の皮下出血」「どす黒く変色した足」というのは、通常の取り調べで発生するとは考えられず、何らかの違法な取り調べがあったことが想像される。

 このような警察内部の犯罪の場合、警察官は決して真実を語らない。彼らの論理では「正義」よりも「組織の論理」が優先されるのだ。人気ドラマの「相棒」の中でもそうした警察内部の腐敗が描かれたことがあるが、2006年に起きた高知白バイ衝突事故でもそうであるが、警察が証拠のねつ造までして組織を守ろうとした悪質な事件が過去に起きている。司法関係者もこの企みに荷担して、後に栄転している。警察とはそういうクソみたいな組織なのである。

 さて、今回の裁判、果たして奈良県警の当時の取り調べに関わった人たちが真実を語るだろうか。否である。もしも裏切って本当のことを語る者が居れば、おそらく口封じで殺されたりするだろう。そうなるのがわかってるから誰も本当のことは語らないのである。


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11月15日(火)
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