ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18846089hit]
■国民投票なんてやめてしまえ!
民意ってなんだ?国民の多数派の意見が「民意」なのか?もしも国民が真っ二つに割れて、49:51みたいな状況になってしまっても、その時の多数派である51%の方が民意なのか。そんなくだらない、ただ国民の分裂を誘うだけの国民投票なんか止めてしまえよと、イギリスの国民投票を見ていて思うのである。昨年のギリシャの国民投票もそうだ。ギリシャの場合は財政破綻を国民のわがままのせいにするために国民投票が利用された。国民に窮乏生活を体験させてみるという目的でチプラスは結果のわかった国民投票をさせたのだ。
民意は常に正しいのか。たとえばナチスドイツ政権下では少なくともユダヤ人排斥運動は「民意」の支持を得ていたのだし、多数派のドイツ国民は結果的にユダヤ人が奪われた財産を手にしたのだ。日中戦争が拡大し始めた頃、日本人は中国に攻め込むことを支持していた。「通州事件」で日本人居留民が虐殺されたということもあり、少なくともあの当時の「民意」は、中国と戦争することを肯定していたのである。民意はよく間違いを犯すのだ。間違った民意でも従わないといけないのか。そこで正しい決定を下すのは政治家ではないのか。あの時ハルノートの内容を受け入れ、中国から撤退するという選択を当時の政権が取っていれば国民には暴動が起きただろう。
なんのために選挙があるのか。決して全員一致などしない民意というものに配慮しつつ、できるだけ多くの人々の希望を叶えられるように工夫してくれる有能な人を「選良」として選ぶためじゃないのか。もしも個々の政策をすべて「国民投票」という形ですべて国民の意志に委ねてしまうならば政治家は不要だ。そして仮にそうして国民の意志に委ねてしまったとして、それが51:49という結果ならば49の側にとって大きな不満を残すことになってしまうのだ。
しかも国民投票は2択である。イエスかノーか、さまざまな中間的な立場の意見をたった二つに絞らないといけないのだ。それが果たして正しいのか。そんな形で絞り込んだものが本当に民意と言えるのか。
原発の問題にしてもそうだ。原発反対を叫ぶ人たちの主張は正しいと思う。日本みたいな地震国でこんなに多くの原発が稼働していれば、いずれ想定を超えた大地震で福島原発を超えるような大事故が発生して、日本列島は人が住めない土地になってしまうだろう。数千年の間にそれは確実に起きることである。しかし、それが20年や30年という短い時間の中で起きるかというと、多くの人は「今すぐには起きないだろう」と思っているわけで、「だから今は再稼働させる」という考えも出てくるわけだ。仮に原発を投票に掛けた場合「やめる・やめない」の二つしか国民投票では選べないのである。
しかし、本当に今我々が取れる方法は2つではない。
1、即座に全ての原発の運転を停止して、休止中も含めて全て廃炉にする
2、将来にはすべて廃炉にするが、安全性が確認できたものは再稼働を暫定的に認める。
3、将来はすべて廃炉にするが、建設後40年未満のものは40年までは稼働させる。
4、原発は必要なのでそのまま運転し続ける。しかし新規の建設は行わない。
5、原発を積極的に建設してどんどん増やしていく。
オレが考えるだけでもこの5つのプランがある。この5種類の選択の中で、2択にしてしまった場合、3を希望している人はいったいどちらに投票すればいいのか。現時点で5を考えてる人はいないだろう。ただもしも3の人がすべて「原発をやめない」の側に投票した場合、政府はその結果を勝手に5に解釈して、「積極的建設が国民の意志だ!」と主張するかも知れないのである。二択しかないということは、投票の作り方次第で本来の意志とは違った方に投票してしまうという多数の国民を発生させることにつながるのである。そんな国民投票なんて百害あって一利無しである。
[5]続きを読む
08月04日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る