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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■どうして高校球児はタバコを吸うのか?

 どうして高校球児はタバコを吸うのか? それは一言で言えば「馬鹿」だからである。それ以上でも以下でもない。要するにただの「馬鹿」なのだ。それは喫煙という文化がすっかり今と昔では意味が違っていて、昔は成人すれば誰もが嗜むものだったタバコが、今は「ただの馬鹿の習慣」になってしまったことが大きいのである。映画「風立ちぬ」の中で帝大に通う学生たちが普通に誰でもタバコを吸っていたのは戦前の話であり、喫煙率は急激に低下した。そして入学試験の偏差値の高い大学ほど学生の喫煙率が低いというデータもある。今や喫煙というのは、DQNと呼ばれる人たちの一つの行動様式となっているのである。21世紀の現代ではまともな大人はタバコを吸わないか、吸っていてもアホらしくてやめるようになったのだ。現代に於いて、タバコを吸う中学生や高校生というのはどうしようもない馬鹿しかいない。彼らはタバコを吸うことによって華々しく「馬鹿デビュー」を飾るのである。今日からオレは馬鹿になります!ということを宣言するのだ。それが馬鹿の習慣となった今となっては。

 佐賀龍谷高校が準決勝を辞退して不戦敗になった。部室でボヤが発生し、その理由がタバコの火の不始末だったわけで、もはや言い逃れができない不祥事だったのだが、そもそも部室でタバコを吸っていれば部顧問や監督はすぐにわかったはずである。喫煙習慣のない後輩にもすぐにわかっただろうし、監督や生活指導の先生に密告することもできた。そうしなかった理由は二つある。それは「先輩が吸っていたので逆らえなかった」「監督も喫煙を認めていた」ということである。3ヶ月前に見回りを止めた理由は明白だ。「うっかり見つけるとそれが主力選手だった場合困る」からである。

 それにしても喫煙すれば持久力は低下するし、スポーツマンにとってタバコがプラスになることなど一つもない。それなのになぜ吸うのかというと、答えは一つしかない。「馬鹿」ということである。もうそれ以外の理由は全く考えられないのである。なんでこんな馬鹿が今でも地上に棲息するのかと思うが、まあそんな馬鹿をただ「野球がうまい」というだけで持ち上げる周囲も悪いのである。

 大会辞退が決まったとき、佐賀龍谷の野球部員たちは茫然自失だったという。さて、この茫然自失の意味をオレなりに分析すると、それは「たかがタバコくらいでなんで辞退なんだ」とか「なんでバレるようなことしたんだ」ということだったのだろう。部室で吸ってる以上、それは公然の行為であり、部員の中に喫煙者がいることは全員知っているわけである。ルール違反の行為を全員で共有していた集団が、「茫然自失」するのだとしたら、その理由は上記の二つしかないわけだ。なんとも情けない話だが、それが田舎の野球名門校の状況なのである。

 野球をしている人の喫煙率はきわめて高い。おそらくみんな中学生や高校生の頃から吸ってるのだろう。巨人に入団した桑田がロッカールームの禁煙を提案したのは有名な話である。桑田みたいなストイックな求道者はむしろ例外で、巨人軍の選手たちはみんなヘビースモーカーだったわけだ。昔は公式戦の試合中のベンチでも選手はタバコを吸っていたはずである。実際にタバコを吸ってる不良の中には野球の好きなヤツが多いのである。全高校生の喫煙率よりも野球部員の喫煙率の方がはるかに高いはずである。

「部員の喫煙がバレたら出場辞退」

というルールを高野連が決めたとしたら面白いだろう。おそらく出場校のほとんどはアウトということになるからだ。ドーピング検査のようにニコチン検査を導入してチェックしてみたら面白いのにとオレは考える。もちろんそんなことを言うと喫煙者の側から「そんな無意味な検査をするな!」という横やりが入るだろう。高校野球が教育的効果を求めてるのならばそういう検査はちっとも不合理ではないし、むしろやるべきだとオレは思うのだが、絶対に導入されない。なぜなら現場では野球のうまい選手の喫煙は黙認されているからである。ダルビッシュ有は日ハムのキャンプの時にパチンコ屋でタバコを吸ってるところを写真週刊誌に撮られたが、きっと高校生の時から喫煙習慣があったはずで、周囲の誰もそれを止められなかったのである。


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07月28日(木)
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