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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■マンションはやはり買ってはいけない
三井不動産レジデンシャルが販売した横浜市都筑区のマンションで大規模な手抜き工事が発覚した。しかし、マスコミ各社は「手抜き工事」という文言は使わない。なぜこのようなことばを用いた報道はないのか。きちっと固い地盤に杭を届かせていなかったということなら間違いなく手抜き工事である。きっと新聞は例の東芝の粉飾決算の時と同じく、広告をくれる企業のことを報道する際には変に気を遣ってるのだろう。だからあえて「粉飾決算」と言わずに「不適切会計」と書いてお茶を濁したのである。今回も同じく広告をくれるマンション屋に配慮して言葉を選んでるのである。ゼニにしばられて本当のことを書けないのは日本のマスコミの常だ。そして居住者の中にも「問題が公表されると資産価値が下がるから大事にしたくない」「値下がりする前に売り抜けたい」などと自分のことだけを考えていて協力してくれない者も多いのだ。一緒になって戦わないといけない居住者の間でさえも利害の対立があるのである。
分譲マンションというのは最大の欠陥商品であるとオレは思っている。買う時にゼニを払えばそれで永遠に利用できるものなら買う価値はあるが、30〜50年で建て直さないといけないわけでそのときに新たな費用が発生する。修繕積立金だけではそういう事態には対処できない。また住人がどんどん高齢化すると小さな補修も拒否してしまうのである。「今のままでいい」「どうせ老い先短いから・・・」そういうわけで住人の利害も一致するとは限らない。これが賃貸住宅ならば何も問題はないのだが、分譲だから問題になるのだ。たとえ全く共益費や修繕積立金を払ってないからといっても、その住人の所有権を剥奪することはできないのである。
首都圏のタワーマンションを中国人の大金持ちがどんどん買ってくれるという。そうやって売れるのはいいのだが、問題は彼らに日本人の常識が通じないことである。共有スペースを私物化したり、そこら中にゴミを投げ捨てたり、夜中に大声で騒いだり、果てはその部屋をホテル代わりに貸し出して不特定多数の人が出入りするようになったりするのである。そうなると治安の上からも問題があるし、そうやって荒廃したマンションは資産価値が下がる。共益費や修繕積立金を滞納してる人が増えたマンションはどんどんスラム化していく恐れもある。管理されなくなったマンションからは、賢明な住民は売値は安くてもさっさと売り飛ばして去って行くだろう。それを購入してやってくる住人は少なくとも前よりは貧乏な人が入ってくるわけである。
戸建て住宅は建て替えもその一軒だけの問題だし、よくできた木造住宅は百年以上の寿命がある。また更地にしても買い手がつく。少なくともタワーマンションのように地上はるかなところにある空間の権利を買ってるのではないのだ。実際は区分所有権というらしいがそんなもの土地の価格に比べればほんのわずかである。だから少なくともマンションに関しては分譲という形式を取るべきではなかったのだ。これは日本の住宅政策の最大の過ちであったとオレは思っている。良質の公営住宅のみが駅前の便利なところに建設されていれば、その家賃収入は固定資産税と並ぶ地方自治体の重要な財源となり、広い戸建て住宅の欲しい人は郊外に建てるしかないということになったのだ。集合住宅が公営のものばかりなら、引っ越してもらえばOKだから老朽化による立て替えは全く問題にならなかったのである。
今回の手抜き工事のようなことはおそらく日本中に存在するだろう。阪神大震災の時にある大手業者の販売したマンションはほぼ壊滅したが、巨額の広告料欲しさにマスコミはそのことを報道しなかった。今、その業者は阪神間ではものすごく評判が悪いのだがそれは住民たちがその事実をみんな知ってるからである。もっともオレがここでその業者名を出せば必ず「資産価値が下がるからやめてくれ」という抗議のメールが大量に届くのである。抗議すべき相手はそのような欠陥商品を販売してる業者なのに、自分たちの住んでいる欠陥マンションを必死で守ろうとするのが住民の行動なのだ。これでは話にならないのである。
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10月26日(月)
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