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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■人を殺しても無罪になる方法があります


 殺人事件の犯人グループがお互いに「私じゃありません、殺したのはあいつです」と罪をなすりつけ合ったらどうなるのだろうか。その中に必ず真犯人がいるのに、誰であるのかを特定できないために結局「疑わしきは罰せず」という原則にのっとって3人とも無罪となる。それが「冤罪防止」ということである。

 千葉県にクルマの窃盗団が居た。千葉県内にはヤードと呼ばれるクルマの解体場が400カ所以上もあり、その中には盗難車を解体して部品の状態にして輸出している業者が含まれている。千葉県警というのは大阪府警や兵庫県警と並んで過去に多くの不祥事を起こしている。その千葉県警にどこまでこの自動車窃盗団を摘発して一網打尽にする能力があるのか疑問なんだが、とにかく多くのヤードが存在することと、関東地方での自動車盗の被害がものすごく多いということは事実なのである。

 その自動車盗の犯人が、クルマの持ち主をはねて殺して逃亡した事件があった。その裁判が行われ、なんと容疑者の「殺人」が認定されずにただの窃盗罪で(強盗でもない)懲役6年というありえない判決が下ったのである。新聞記事を引用しよう。

千葉・柏の強盗殺人初公判で被告「運転は自分じゃない」(産経ニュース・2015年6月25日)
 柏市で平成25年2月、会社員の保田智さん=当時(31)=の車を奪い、逃走の際に保田さんをボンネットから落として殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われた同市塚崎の無職、板橋雄太被告(30)に対する裁判員裁判の初公判が24日、千葉地裁(高橋康明裁判長)で開かれた。板橋被告は罪状認否で「盗みに行ったのは間違いないが、車を運転していたのは私じゃない」と述べ、車を運転していたとする検察側の主張を否定した。
 起訴状などによると、板橋被告は25年2月22日朝、共犯の男2人=窃盗などの罪でそれぞれ懲役5年と懲役3年6月が確定=とともに、保田さんの自宅アパート前駐車場からスバルの乗用車インプレッサを窃取。逃走を阻止しようとしてボンネットに乗り上げた保田さんを振り落とし、後頭部を路上にぶつけさせ殺害したとしている。
 検察側は、共犯の男らの証言などから、盗んだ車を運転していたのは板橋被告と主張。一方で、弁護側は共犯の1人が運転していた疑いは払拭できないとしており、運転手の特定が公判の主な争点となる。判決は7月9日に言い渡される。

千葉日報 7月9日(木)19時20分配信
 千葉県柏市内で2013年2月、会社員男性=当時(31)=が、奪われた自分の車にはねられ死亡した強盗殺人事件で、強盗殺人や覚せい剤取締法違反などの罪に問われた柏市、無職、板橋雄太被告(30)の裁判員裁判の判決公判が9日、千葉地裁であった。高橋康明裁判長は「被告が男性をはねた車を運転していたとするには合理的な疑いが残る」と強盗殺人罪について“無罪”との判断を示し、車を盗んだ窃盗罪を認定。そのうえで懲役6年(求刑・無期懲役)を言い渡した。
 同事件では、仲間2人もすでに窃盗罪などで服役中。板橋被告含め関係した3人が逮捕、起訴されながら、誰が被害者をはねた“犯人”なのか証明されないまま一審が終結する異例の事態となった。
 高橋裁判長は判決で、板橋被告が車を運転していたとする男3人の証言の信用性を検討。男らの人間関係や、うち1人からの虚偽の証言をする働き掛けがあった可能性などを指摘し、「虚偽の証言をする動機があった。その信用性に疑問が残り証言をうのみにすることはできない」と述べた。
◆地検「予想外で驚き」
 千葉地検の金沢勝幸次席検事は「予想外の判決で驚いている。判決内容を精査し、上級庁と協議して適切に対応したい」とのコメントを発表した。

 クルマを運転して制止する保田智さんをはねて殺した男は確かに存在した。だがその容疑者として逮捕された板橋被告は一貫して「運転していたのは自分じゃない」という主張を展開した。犯人グループの中の誰かが運転していたことは確かである。運転手が特定できなかったということで「疑わしきは無罪」という原則に従ってこの強盗殺人罪に関しては「無罪」という結果になったのである。


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07月14日(火)
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