ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■人質にゼニを払うということ
 イスラム国が日本人二人を拘束し、身代金2億ドルを要求している。安倍晋三首相は「全力で人質を救出するために交渉する」と宣言しているが、そもそも人質を安全に取り戻すためにはゼニが必要であり、そのゼニを支払うということはどういうことになるのか。目の前の出来事だけではなくて今後起きることを考えるべきではないのか。オレはそういうことを思うのである。

 ここで日本政府のとれる選択肢は3つだ。

A:ゼニを払う(相手が人質を本当に返してくれるかどうはわからない)
B:ゼニを払わずに人質奪還をあきらめる
C:ゼニを払わないけど人質をなんとか取り戻そうとする

また、イスラム国のとれる選択肢はこの4つだ。

D:ゼニを受け取って人質を解放する
E:ゼニを受け取ったけど人質は殺す
F:ゼニをもらえなかったので人質は殺す
G:ゼニはもらえなかったけど人質は解放する

組み合わせとして考えられるのは

AD(ゼニを払い人質を解放してもらう)
AE(ゼニを払ったけど人質は殺される)
BF(ゼニを払わずに人質が殺される)
BG(ゼニを払わなかったがなぜか人質は解放される)
CF(ゼニを払わないままに人質奪還を強行して失敗し、人質は殺される)
CG(ゼニを払わないままに人質奪還に成功する。)

の6つである。この6パターンの中でどうすることがベストなのか、そしてそれが実現不可能なときの次善のパターンはどれか。というふうに考えていく必要があるのだ。

 日本政府にとっての理想的な解決はCGである。ゼニを払わずに人質が解放されるというパターンである。これはよっぽど強力なパイプがイスラム国幹部と交渉人の間にないと無理だ。現実問題として日本はイスラム国と交渉するルートもないし、そういうしかるべき人物もいない。獄中の重信房子でもかつぎだせば交渉役となれるかも知れないが、そもそも服役中の人を使者にするなど非現実的な発想である。そのまま逃亡して亡命する可能性も高い。

 イスラム国にとって、ここで人質を殺してしまえばもはや交渉の手段がなくなるわけで、重要な金づるだが、絶対に殺さないとなれば身代金ももらえない。そういうわけで時々流す人質殺害動画は「本当に殺します」という脅しなのである。

 今ここでゼニを払って人質を解放してもらえたとして、オレが想像するのは今後のことである。少なくともイスラム国側としては「日本人を誘拐したらゼニになる」ということが明らかになるわけだ。「誘拐」→「身代金ゲット」という流れになればそれが彼らにとっての新たなシノギになる。その結果、次の獲物を求めてシリアに限らず中東諸国で日本人が拉致監禁される事件が起きるだろう。ここで下手に身代金を払ってしまえば、それが悪しき前例となってしまうのである。残酷な言い方だが、今人質になってる2人を守ることによって、将来に起きてしまう無数の誘拐事件のことを考えた時、身代金を払うことはかえって問題を大きくするということがわかる。そうなると上記のADという選択肢は、将来に禍根を残すという意味でもっとも取ってはいけない方法ということになるのである。

そうしてゼニを払うのを除外すると、残された選択肢は次の4つだ。
 
 
BF(ゼニを払わずに人質が殺される)
BG(ゼニを払わなかったがなぜか人質は解放される)
CF(ゼニを払わないままに人質奪還を強行して失敗し、人質は殺される)
CG(ゼニを払わないままに人質奪還に成功する。)

 

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01月22日(木)
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