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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■天然ガスで製鉄ができるのだ!
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今アメリカの景気が回復してるのはなぜか? それはエネルギー革命が静かに進行してるからである。シェールガスの生産量がどんどん増加し、そこから生み出される莫大なマネーがアメリカを「エネルギー輸出国家」に変貌させているからだ。地主には採掘されたガスの売り上げの何%かが支払われるので莫大な収入となり、それを求めて争って土地を提供するようになる。これからも生産量はどんどん拡大するだろう。結果的に原油の輸入量は減少し、いずれアメリカは世界最大のエネルギー資源輸出国になるだろう。莫大なシェールガスマネーがアメリカを潤すのである。
ロシアが北方領土の問題を早期解決しようとしてるのは、今のうちに樺太の原油や天然ガスを高値で日本に買い取らせる契約を締結したいからである。日本の電力会社はアメリカからシェールガスを輸入する契約をする方向で動いている。燃料価格が下がれば発電コストも下がるからだ。オイルマネーに支えられてきた中東の価値は下がることとなり、原油価格も下がるだろう。中国は今のところ採掘技術がないのだが、シェールガスの埋蔵量は世界一である。いずれ環境破壊なんか全く考えずに生産を始めるだろう。
この「シェールガス景気」で伸びる企業はどこか? これからの株式投資はまさにそこを狙わないといけないのである。パイプラインなら新日鉄住金、タンカーに積み込むために液化するプラントならば千代田化工、そしてLNGタンカーなら三井造船というふうに必ず大きな売り上げにつながる企業がある。アメリカのシェールガス革命は同時に日本企業にとっても大きなビジネスチャンスなのである。
神戸製鋼もそこにビジネスチャンスを見いだす企業の一つである。読売新聞の記事を引用しよう。
天然ガス製鉄 売り込み…「シェール」追い風
神戸製鋼所が、米国で天然ガスを使った製鉄設備の売り込みに力を入れている。シェールガス産出で米国の天然ガス価格が大幅に下落しているからだ。鉄鋼原料の鉄鉱石や石炭の価格が高騰する中、世界各地での普及を狙っている。
天然ガスの製鉄設備は、神戸製鋼が1983年に買収した米国子会社のミドレックス社(ノースカロライナ州)が手掛けており、世界市場占有率約8割のトップ企業だ。製鉄で主流の高炉は石炭を燃やして鉄鉱石から鉄を取り出すが、石炭ではなく天然ガスを使う。高炉など大規模設備も不要だ。
ミドレックス社は今年7月、米国内で数十年ぶりに天然ガスの製鉄設備(生産能力年200万トン)を受注した。オーストリアの鉄鋼メーカー、フェスト社がテキサス州に建設、作った鉄を欧州に運んで鋼材に加工する。シェールガス産出などで米国の天然ガス価格が大きく下がり、欧州の4分の1の水準であることに目を付けた。
神戸製鋼の川崎博也社長は「鉄鋼メーカーと商談をいくつか進めている」とし、天然ガスの製鉄設備を新たな収益源に育てる考えだ。米国以外にも売り込んでいく。ミドレックス社の設備は現在、世界で約65基が稼働しているが、これまでは中東や中南米など天然ガスを産出する地域に限られてきた。シェールガスは、中国やアルゼンチン、オーストラリア、欧州各地でも埋蔵されているとみられ、天然ガス製鉄の採用が進む可能性がある。石炭などの価格高騰も追い風だ。
天然ガスなどを使って作られた「還元鉄」と呼ばれる鉄の世界生産量は2012年に約7400万トンと過去最高だった。ミドレックス社は、シェールガスの産出拡大で、25〜30年には2倍以上の2億トンに増えると予想している。
(2013年8月20日 読売新聞)
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