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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■アベノミクス・終わりと始まり
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 5月23日から始まった日経平均の暴落は6月13日にも大きく下げ、4月4日の異次元緩和の発表時の株価水準まで戻ってしまった。このことで「アベノミクス崩壊」と騒ぎ立てる人たちもいるし、民主党の連中は格好の攻撃材料ができたとほくそ笑んでいるようでもある。 (海江田よ、おまえのことだおまえ!)

 しかしオレはそういう民主党の連中に対してはめちゃくちゃ腹が立つのである。おまえら本当に日本の将来を考えてるのかと。日本はデフレを脱却し、少子高齢化を克服し、なんとかしてかつての輝きを取り戻さないといけないのである。そのための成長戦略がアベノミクスであり、もしもこれが失敗すれば日本は確実に破滅に向かって突き進むのだ。だからその失敗を願うなんて政治家は国賊なのである。おまえらどこかの独裁国家の回し者かよとオレは勘ぐりたくなるのだ。

 日銀の「異次元緩和」という方針は少しも変わっていない。だからこれが出された4月4日時点の株価よりも下がるのなら迷わず買いである。昨年暮れから4月までの株価上昇はアベノミクスに期待して先行する動きだった。しかし「異次元緩和」の発表後の株価の動きは明らかに先走りすぎた感があった。だからこそその上昇の頂点で売り崩されたのだ。上昇が急ピッチであればあるほど、下げもまた急激である。そんなことは株式投資をしていればいくらでも体験できる動きである。上がりすぎた株を空売りし、下げすぎた株を拾うのは投資の王道だ。5月22日までの行き過ぎた株高・円安の流れが、いったん株安・円高に巻き戻されただけのことである。

 もう以前のような1ドル=80円という円高には当分戻らないだろう。ヘッジファンドが円の買いを仕掛ける恐れはかなり遠のいた。だからしばらくは輸出企業の多くは為替差益で潤うのである。自動車や電機業界はしばらく活気づくだろうし、ソニーやシャープ、パナソニックといった巨額赤字で息も絶え絶えだった企業がなんとか黒字化への道筋がついた。「円高」という重しがはずれれば、かなりの日本企業が競争力を取り戻す。その波及効果で多くの企業の業績が回復する。その間に政府は「持続的な成長戦略」を構築しないといけない。

 金融緩和というのはそれ自体ですべてが解決する魔法ではない。ただの時間稼ぎである。日銀にできることはただきっかけを与えるだけだ。実体経済が回復するには時間がかかる。株高によって投資マインドを好転させ、国民にゼニを使わせ、企業の投資を促進することで後から景気回復がついてくるのである。

 長く日本を苦しめた円高不況を克服するために日銀は何ができたのか。白川総裁は全く無策だったじゃないか。苦し紛れの円売り介入はヘッジファンドを儲けさせただけだったじゃないか。ところがアベノミクスは劇的な円安効果をもたらしたのである。少なくとも長く続いた1ドル80円前後の状況が、半年もたたずに瞬間的に103円まで円安になったのである。それはまぎれもない事実だ。そして通貨発行量を増やして、一年間で2倍にすることも粛々と行われている。日銀はせっせと国債を買って現金を市中にばらまいている。この効果はこれからも続くのである。

 乱高下する株の中には、全体の下げに巻き込まれて連れ安しているものも多い。猫も杓子も上がる相場で上がった銘柄ではなくて、着実に業績が回復するのに全体相場に引きずられて下げている企業を積極的に拾えばいいのである。配当利回りが3%以上ある企業も多い。そうした銘柄を積極的に安値で買えばいいのである。


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06月16日(日)
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