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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■「下手くそ」を果たして罪に問えるのか?
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この世には「下手くそ」という人々が少なからず存在する。ボーリングをしていてボールを隣のレーンに投げ込んだり、空振りをしたバットが手を離れて飛んでいって観戦していた人を直撃するとか、卓球でラケットを卓球台にたたきつけてぶち割ってしまうような方々である。それらの行為は果たして罪だろうか。あまりに下手くそすぎた結果、それが誰かの死につながった場合はその賠償責任を負うのだろうか。
サッカーゴールに向けてシュートの練習をしていた下手くそな少年が、ゴールを外してあらぬ方向にボールを蹴ってしまったためにそのボールは学校の外に飛び出し、通り掛かったバイクはそのボールをよけようとして転倒した。もしもその少年が下手くそではなくてゴールにちゃんとシュートを決めることができていればこのような不幸な事故は起きなかったのである。そのように判断した裁判長は、男性が転倒してその後死に至った原因は少年の下手くそさにあったと認定し、少年の両親に賠償金の支払いを命じた。朝日新聞の記事を引用しよう。
サッカーボール避け転倒死亡 蹴った少年の親に賠償命令2011年6月28日12時9分
校庭から蹴り出されたサッカーボールを避けようとして転倒した男性(死亡当時87)のバイク事故をめぐり、ボールを蹴った当時小学5年の少年(19)に過失責任があるかが問われた訴訟の判決が大阪地裁であった。田中敦裁判長は「ボールが道路に出て事故が起こる危険性を予想できた」として過失を認定。少年の両親に対し、男性の遺族ら5人へ計約1500万円を支払うよう命じた。
判決によると、少年は2004年2月、愛媛県内の公立小学校の校庭でサッカーゴールに向けてフリーキックの練習中、蹴ったボールが門扉を越えて道路へ転がり出た。バイクの男性がボールを避けようとして転び、足を骨折。その後に認知症の症状が出るようになり、翌年7月に食べ物が誤って気管に入ることなどで起きる誤嚥(ごえん)性肺炎で死亡した。
少年側は「ボールをゴールに向けて普通に蹴っただけで、違法性はない」と主張したが、27日付の判決は「蹴り方によっては道路に出ることを予測できた」と指摘。「少年は未成年で法的な責任への認識はなく、両親に賠償責任がある」と判断した。そのうえでバイクの転倒と死亡との因果関係について「入院などで生活が一変した」と認定。一方で、脳の持病の影響もあったとして、請求額の約5千万円に対して賠償額は約1500万円と算出した。(岡本玄)
■「やや酷な印象」
〈日本スポーツ法学会理事の桂充弘弁護士の話〉 バイクが走行していた道路の通行量などが分からないので断言はできないが、今回の判決は、子どもの行為が及ぼす事態を厳格にとらえたといえる。一方で、少年は校庭で違法な行為をしていたわけではなく、ゴールに向けて蹴ったボールが門扉を越えており、やや酷な印象も受ける。仮に少年側が控訴した場合、今回は問われなかった学校側の施設管理についても検討する必要があるのではないか。
クルマを運転していてもしも突然目の前にサッカーボールが転がってくれば、オレは急ブレーキを踏むだろう。そのボールを追って後から誰かが走り出してくる可能性が高いからである。そこで回避行動を取るのはドライバーの義務だ。しかし、高齢になると反射神経が衰えてそこで適切に回避できなくなるのである。これは仕方のないことだ。避けきれずに転倒したのはバイクに乗る人の責任ではない。あくまで原因はボールを蹴った側にある。
ダーツ(投げ矢)をしていて、投げた矢があらぬ方向に飛んで人に刺さった場合、その責任は投げた人にある。当てるつもりはなかったといくら主張しても許されることはないだろう。下手くそは罪なのだ。
クルマを運転していて、アクセルとブレーキを踏み間違うのはとてつもない下手くそである。その下手くそな運転の結果、歩道を暴走して歩行者をなぎ倒して死に至らしめた場合は責任を問われることは誰しも納得できることだ。
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06月30日(木)
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