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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■武富士は国家予算を脅かしているのである
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 どうすれば合法的に脱税(いわゆる節税)できるのか、金持ちほど真剣に悩んでいるのである。たとえば離婚の慰謝料には贈与税がかからないというルールを悪用して、死ぬ直前に離婚して慰謝料で妻に自分の資産をみんな譲ってしまうという方法もあるのだ。もっとも本当にそれが自然な死なのか、それとも夫の資産を奪い取るための妻の陰謀なのかは誰にもわからないのである。

 昔の相続税法では海外居住者が国外財産の贈与を受けた場合、非課税とするルールだった。海外居住者か国内居住者は単純に滞在期間で判断されるために、日本国内に家があってもわざと海外の別宅に長く滞在していれば「海外居住」と判断してもらえたのである。竹中平蔵みたいに、1月1日となると決まって住所を外国に移すヤツもいた。そうすれば住民税を支払わなくてもいいからである。 (この卑怯者め!)

 サラ金大手武富士の創業者、故・武井保雄元会長夫妻から海外法人株を贈与された長男の武井俊樹専務には1300億円の贈与税が課税された。しかし、武井俊樹氏は当時日本に居住していなかったとしてこの課税の取り消しを求め、法廷で争うこととなったが一審は課税取り消し、2審は課税は適法と判断が分かれ、2月18日に最高裁で須藤正彦裁判長は2審判決を取り消して「課税できない」という判断を下した。それによって日本国家はなんと還付加算金などを含めて2000億円を武井俊樹氏に返還することになったのである。菅内閣の組んだ予算規模は92兆円だから、2000億円というのは実に国家予算の0.22%の規模である。どこからその財源を捻出するのか。この判決はさらに菅内閣の予算編成を困難にする結果となったのである。

 さて、ここで2000億円が武富士の専務である武井俊樹氏に入るということは、そのゼニで倒産した武富士が支払うべき過払い金の返還が可能になると思う人がいるかも知れない。しかし、武井俊樹氏には過払い金の支払いに協力しないといけないような法的責任は全くないのである。なぜなら会社の資産と個人の資産は別物であり、会社が破綻したことと武井俊樹氏が大金持ちであることとは全く無関係である。会社が倒産した際に個人資産をすべて失って首をつったり夜逃げしたりするのは中小企業だけで、それは個人や親族が連帯保証人になってないと銀行がゼニを貸してくれないからである。

 ところが武富士のような大企業では、株主としての責任しか発生しない。もちろん創業者一族はみんな大株主だったわけだが、これまでに高配当を続ける中で十分に自分たちの取り分のゼニは貯め込んでしまったわけで、そうして配当金として支払われたゼニは個人資産となったわけだ。順調に利益を上げてるときは武富士は配当利回りの高い企業として人気があった。個人株主はその恩恵を受けたわけだが、大株主である武井一族はとてつもない金額をそこから得ていたのである。そうして貯め込んだ資産を税金なんかでとられたくない。そこでいったん海外の不動産などを購入し、それを海外に居住している息子に贈与すれば贈与税はかからないという作戦で法律の不備をついたわけだ。なかなかの知能犯である。1億や2億のはした金なら税金として払ってもいいが、さすがに1300億も税金で払いたくないよというその気持ちはよく理解できるのである。


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02月20日(日)
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