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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■地震列島日本に住むということ
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 震源が深さ8キロという直下型地震だった今回の岩手宮城内陸地震でオレが驚いたのは、その揺れの強さだった。マグニチュード7.2という規模自体はこれまでに起きた大地震とくらべてさほど大きなものではない。しかし、今回記録された瞬間の揺れの強さはこれまでに国内で記録された中で最大だったのである。そんな強い揺れに対して安全に作られている建物や構造物が果たしてあるのだろうか。読売新聞のWEBサイトからの記事を引用したい。

地震の加速度、国内観測史上最大を記録…中越地震超す
 防災科学技術研究所は15日、岩手・宮城内陸地震が起きた時、震源から最も近い岩手県一関市内の観測地点で、揺れの瞬間的な強さの指標である最大加速度が4022ガル(ガルは加速度の単位)を記録していたことを明らかにした。
 国内の地震で、4000ガルを超える加速度が記録されたのは初めて。これまでの記録は2004年10月の新潟県中越地震で観測された2515・4ガルだった。
 加速度は、上下、水平方向への地盤の動きを基に計算されるが、同研究所によると、水平方向の動きよりも上下の動きが激しかった。
 今回の地震は、断層が上下にずれる逆断層型で、観測点が震源の直上付近にあったことから、断層の上下方向の動きで激しい縦揺れに見舞われた結果、極めて大きな加速度が記録された可能性があるという。(2008年6月15日22時07分 読売新聞)

 4022ガルというのは驚異的な数字である。それよりもずっと弱い揺れでも柏崎原発が破壊されているのである。もしもこんな揺れが原発を襲えばどうなるのか。東京で起きれば高層ビルは大丈夫なのか。六本木ヒルズの直下で発生したら果たして激しい揺れに耐えられるのか。少なくともそこまで大きな揺れに対して持ちこたえることができる過剰なまでの安全性は、今の高層建築には備わっていないような気がするのである。もしも倒壊すればその犠牲者は大変な数字になるだろう。オレは高層マンションに住みたいと思っていたが、こんな地震の直撃を受けて、建物がぽっきり折れたらどうしようかと思うのである。まっぷたつに折れたりなんかすれば高層階の住人は絶対に助からないはずだ。

 地震国の日本では常にそうした危険がつきまとう。それは日本で暮らすことの宿命なのだ。そこまで過剰な安全性をすべての建築物に求めるならコストがかかりすぎる。かといって耐震性の低い建物群を放置して地震の時は崩壊するにまかせる・・・というわけにもいかない。少なくとも現在の耐震工法の技術を十分に活かすだけでもかなりの安全性は高まるはずである。早急に学校などのまだ耐震工事が済んでいないところに関しては工事を実施すべきだろう。

 世界の中で地震が起きる場所というのは決まっている。地震が起きないところでは全くといっていいほど起きないし、逆に起きるところはとにかく頻繁に起きる。世界地図の中で地震帯の分布を見ると、大地震のあった中国四川省が中国の中でも地震の危険地帯であることがわかる。もっとも日本列島はすべてがこの地震帯に覆われていて、どこにも逃げる場所などないのだが。

 そんな地震国に住んでる以上、自分の身を守るためには自分で工夫するしかないのだ。できるだけ高層マンションには住まないとか、湖に船を浮かべてその上で暮らすとか、日本を捨てて海外で暮らすとか、耐震性の高い旭化成ヘーベルハウスなんかを購入するとか、それなりに対策は用意されている。それでもすべての家の耐震性を増すことはコストの点で大変困難ではあるが。


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06月16日(月)
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