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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■オレは冥王星だ、文句あるか!
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 オレは小さな頃から惑星は9個と覚えてきた。水金地火木土天海冥(すいきんちかもくどてんかいめい)の9個だ。木星がやたらでかく、土星には耳があり、火星にはフォボスとダイモスという二つの衛星があり、木星の模様には目があって、海王星にはトリトンとネレイドという衛星があったはずだ。しかし、そういうかなり昔の天文少年の記憶は、最新の科学の進歩の前にははかなく打ち砕かれてしまったのである。

 試しに海王星をネットで検索してみるとWikipediaでは衛星が16個あるとなってる。どっひゃ〜そんなにたくさんあったのか。近年、望遠鏡と観測技術の発達で太陽系のことがかなり詳しくわかってきているのである。この惑星の定義に関して、国際天文学連合が惑星を3個増やして12個にするという話題が報道されたときにオレはぶったまげたのである。増やされる3個は小惑星セレス、冥王星の衛星のカロン、冥王星より大きい2003UB313であり、この3つを新たに含めるという案である。

 しかし、このむちゃくちゃな案に対して、オレは何らかの作為を感じていたのである。冥王星はずしの露骨な陰謀だ。冥王星というのは唯一アメリカ人の発見した惑星とされる。そのアメリカの誇りを打ち砕くのが今回の決定の目的なのだ。この惑星3増案のコンセプトは「冥王星が仮に惑星なのだとしたら、冥王星と似た立場にあるものも全部惑星にするべきである」という考え方である。直径が1000キロ程度の小惑星セレスとカロンを含めることと、冥王星よりもでかい2003UB313を惑星に昇格させるべきだということである。これを否定させれば、「じゃあ冥王星だって、惑星の定義から除外される星と同じような立場じゃないか!」ということになってしまうのである。

 この惑星3増案を否定することはすなわち、冥王星の惑星資格喪失につながるということである。かくして冥王星は惑星ではなくなったのである。そんなこと、人間の側の勝手な決めつけであり、当の冥王星にとってはどうでもいいことなんだが。

 オレが報道の中で興味を持ったのは、冥王星とその惑星カロンの関係が、二重惑星と呼べるもの、つまり宇宙空間上の一点を重心として互いにその回りを回る関係であったということである。二重惑星と言えばオレたちの世代が真っ先に思い浮かべるのは宇宙戦艦ヤマトの、ガミラスとイスカンダルの関係である。直径2320qの冥王星と1186qのカロンが、わずか2万qの距離しか離れていないわけだ。20センチ離れたところに直径1センチのパチンコ玉と2.3センチのビー玉があると思えばいい。地球から見た月よりもかなり大きいことになる。地球と月は38万q離れており、月の直径は3474qである。距離が14分の1で、大きさが3分の1ということは、月よりもみかけの大きさは4.6倍に見えると言うことになる。かなりでかい月が浮かんでいるということになる。そんな事実も、今回話題になったことではじめて知ったのだ。

 新しい惑星の定義案では、太陽系惑星を

1、自らの重力で球状となる
2、太陽を周回する
3、軌道周辺で、圧倒的に支配的な天体

と規定する。軌道周辺に同規模の天体があり冥王星はこの条件の3つ目を満たせないので、惑星の定義から落っこちたのである。冥王星、2003UB313、小惑星セレスは、惑星とは異なる「矮惑星」という名称が今回与えられることとなる。

 そもそもの間違いは、冥王星が最初に発見されたときに、その小ささや公転軌道の異常さを問題にして小惑星の仲間にしておけばよかったものを、うっかり惑星にしてしまったことにあったわけである。最初が間違っていたわけである。しかし冥王星の立場から見ればそんなことどうでもいいのである。探査機が地球から送られて、それが冥王星にぶつけられるなんてことになれば、「変なものぶつけやがって」とどこかでプルートーちゃんは怒ってるかも知れないのである。

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08月25日(金)
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