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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■オレは滋賀県民を見直した!
7月2日に行われた滋賀県知事選挙で、自民・公明・民主3党が相乗りで推薦した現職の国松知事は落選した。無節操な開発に反対する市民派の嘉田由紀子氏を県民は支持したのである。嘉田さんは新幹線の新駅建設に関しても「計画凍結」を訴えた。二束三文の土地が値上がりする一攫千金のイナカモンドリームを夢見て土地を買い、それを栗東市に転売してぼろ儲けをたくらんだ連中の野望は見事に打ち砕かれたのである。
いや、土地転がしはすでに成功したからイナカモンドリームは実現している。区画整理と用地買収にすでに150億円も使ってしまった栗東市がこれから困るだけだが、どうせJRA関係の高額所得者の多い自治体で住民税もかなり潤沢にありそうだからそれくらいの借金は大丈夫だろう。栗東市長は「いまさら凍結と言われても困る!」と吠えてるそうだが、在来線との接続のために草津線に作られる新駅から400m、徒歩5分も離れてる南びわこ駅をわざわざ利用するくらいなら米原か京都に出た方が乗り換えも楽ではるかに便利である。そんな意味のない駅を自己満足とてめえらの土地転がしのために作らせて税金を無駄遣いする方が馬鹿げてるのである。栗東市長こそ、見込みの不確定な事業に市のゼニを無駄遣いした特別背任で訴えられるべきだ。おまえの私財を投げ出して弁償しろよ。
オレはこの選挙の結果を聞いてから改めて嘉田由紀子さんがどういう方であるのか調べてみた。そしてその経歴に驚いたのである。実際にアメリカの田舎に住み、アフリカに行って現地の生活を体験し、帰国してからは研究の対象である琵琶湖周辺をくまなく歩き回って滋賀県民の生活を肌で理解しているそんな草の根レベルの地域研究からスタートしたお方だったのだ。移動はいつも黒塗りの公用車、料亭で接待を受けては支持者や土建屋と悪巧みの相談(という悪いイメージをついつい持ってしまうのだが)という国松知事とは大違いである。知事選に出馬を決めた嘉田さんのことばが、彼女のWEBサイトにあったのでその全文を引用したい。
○なぜ知事選に出馬をきめたのか:かだ由紀子の想い
私は埼玉県生まれですが、琵琶湖と滋賀県が好きで、この土地に住み着きました。過去30年にわたって、滋賀県内の隅々を歩き、調査をさせてもらいました。その中で滋賀の未来を思い、論文や書物を出版し、また政策づくりにもかかわってきました。しかし、残念ながら、今の滋賀県政は、旧来の「大規模開発事業」からぬけだすことができず、一貫性のない政策がひろがっています。そして、住民や県職員の間にも言い知れぬ不審が深まっています。
私は「政治は未来をつくるもの」だと思っています。今の滋賀県政は、未来に対して大きな負債をのこし、大きな事業の維持管理の課題をのこし、そしてそれらは子どもや若者たちの未来にフタをするものです。
このような息苦しい状況を打破するには、私自身の研究のモットーでもあった「琵琶湖の環境保全」「住民参加」「対話」「子どもや若者の生きる力を育てる」という理念を生かした、新しい政治が有効であろうと判断しました。また滋賀県はもとより、日本各地や世界の環境研究をしてきた研究者としての視点を行政に生かすことで、世界の中での、長い目でみた琵琶湖の環境保全や滋賀県の地域づくりに貢献させていただけるのではないかと考えています。
とはいえ、私が勤務している京都精華大学には2回生から大学院生まで40名をこえるゼミ生がおります。私のゼミを選び、私とともに歩みたいと思ってくださったゼミ生の進路変更が、教育者として最も苦しいことでした。研究者としても、まだまだやりたいことがあります。
幸い、同僚教員の協力もあり、学生さんの行く先のメドはつきつつあります。
私自身は、子どもふたり、孫が3人います。家族と静かに楽しく暮らしたいという願いもあり、政治の世界にでたら日常生活での余裕がなくなるのでは、という不安もありました。
本当にいろいろ悩み、なかなか決心がつきませんでした。それでも滋賀と琵琶湖を愛する気持ちから、今回、自らの命をかける覚悟で知事選への出馬を決意いたしました。
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07月07日(金)
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