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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■大阪市はもうすぐ破産します!
 日本の各地で行政主導の市街地再開発事業が失敗して借金の山を築いてるが、その中でも特に悲惨なものの代表が、大阪市が28年前から進めてきた阿倍野再開発事業である。

 もともとこの地区は「てんのじ村」と呼ばれ、2700世帯の古い木造住宅やアパート、商店が立ち並び多くの芸人達が住む地域だった。大阪市はその一帯の28ヘクタールを買収し、28棟のビルやマンションを建て、事業費は借金でまかないビルの一部を売った収益で返す予定だったのである。しかし、土地の取得費や造成費はバブル経済の進行で5800億円に膨張した。なんと1uあたり207万円もかかったのである。

 バブル崩壊後地価は10分の1に下落、予定した値段でビルは売れず、たちまち事業は暗礁に乗り上げた。この地区の南端にある「あべのベルタ」と呼ばれる商業施設は閑古鳥が鳴いている。地下や低層階にあるテナントにはシャッターを閉じた店が目立つ。通行人もまばらで、まともに営業している店の方が少ないのだ。一方道路を隔てた東側には近鉄百貨店やHOOPという商業施設があり、路地にある人気のたこやき屋には若者が大勢並んでいる。道一つ隔てるだけで大きな違いである。

 大阪市はなんとかこの事業を黒字にしようと、最後まで残った区画に63階建ての超巨大ビルを建設してそこに百貨店のそごうを誘致する予定だった。しかし、そごうは経営破綻してしまう。開発案は白紙になり、公募の結果2004年9月にイトーヨーカ堂が誘致されることとなった。超高層ビルではなくそこには7階建ての賃貸ビルが建設されることに計画は縮小されたのだ。

 2003年度末時点でこの再開発事業の借金残高は3331億円、返済期間を今後60年と仮定して、借金の返済や管理費などの支出からかなり過大に見積もった収入を差し引いた収支不足額は2100億円と市は試算している。実際は家賃収入も満足に見込めないし、周辺の相場よりも3割は高いマンションも売れそうもないからこの程度じゃすまないだろう。今年度はマンションを売った金で借金返済できるが、来年度に返済予定の110億円の収入のあては全くない。それ以降も毎年100億円以上の公金を市は投入し続けないといけないのである。

 大阪市の財政が抱えた爆弾は大阪ドームなどの赤字第3セクターの精算だけではなかった。こんな大物が控えていたのである。自治体破産という悲劇がまさに大阪市では現実のものになろうとしている。オレは野次馬としてそれを笑いながら眺めていたい。そんな希有のイベントに遭遇できる幸運を嬉しく思っている。
11月15日(月)
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