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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ハメこまれた人たち12(共栄タンカー)
大量に発生した株不足のために東証は6月5日、共栄タンカー株の信用取引規制(新規の空売り禁止)を発表した。発行株数3800万株、浮動株せいぜい1300万株のこの小型株が一日に5853万株の出来高を記録し、600万株を超える株不足という状況になってしまったのである。
新規空売り禁止になった6月6日、売り注文で出てくるのは買い方の利益確定の売りだけだった。この日も572(+10)で寄りついたのも一瞬ですぐに急上昇して株価は662円(+100)のストップ高に張り付いた。売り方の多くは突っ張って耐えることを止めてそこでついに力尽き、損切りすることを選んだからである。その日返済された空売りは380万株を超えた。その日の出来高1839万のうち20%近くが空売りした人の損切り返済買いだったのである。売り方はその日ほぼ壊滅した。6月6日に発表された逆日歩(6月5日持ち越し分)は12円だった。空売りした人は損切りさせられただけではなく、さらにこの逆日歩も支払わされたのである。
6月7日、海運株相場は突如終わった。この日の寄り付きで海運株のいくつかはストップ安気配を示しているものもあったという。共栄タンカーも徐々に気配値を下げて結局寄りついたのは672円(+10)だった。しかしそこから最後のマネーゲームがはじまったのである。大きな単位の成り行き買い、売りが炸裂して株価は上下に激しく揺さぶられ、買った者は暴落に狼狽してすぐに投げ売りし、売って利益を確定したものはその後の暴騰に驚いて買い直した直後に暴落に見舞われ、なんと瞬間的にストップ高の762円(+100)までこのマネーゲームの中での上昇があったのである。それが最後の打ち上げ花火みたいなものであった。徐々にザラ場の参加者は敗者ばかりになっていった。どんどん値下がりするということはババを掴まされたものだけが賭場に残ってるという状況である。ついにはストップ安の1円手前の563円まで下がった。一日の値幅が上下で実に199円もあったのである。終値は587円(−75)、もはや完全に相場は終了した。その日、生き残っていたはずの売り方はさらに激減した。高値で泣く泣く返済させられて終値の安さに悔し涙を流した者も多かっただろう。6月8日には一度も前日比プラスになることもなく514円(−73)、もはや誰もそこから上昇するとは思わない無惨な状況となったのである。
この共栄タンカーの場合、空売りでこの勝負に入ったものが壊滅しただけではなく、買った者も素直に儲かったものはいない。途中で何度も「相場終了」のだましサインを見せられてわずかな利益で満足して勝負を下りてしまったものが多かったからである。往年の仕手株は海運祭りの掉尾を飾るにふさわしい伝説となる3日連続ストップ高を見せてくれた。もちろん江草もこの勝負に買いで参加できた一人である。ただ度胸もなく逃げ遅れを怖れるあまりにわずかな利益に満足して勝負を下りた一人のチキンな投資家であったということもまた逃れようのない事実なのだが。
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06月11日(月)
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