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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■オレはセンター試験廃止に反対する
「1回の共通テストが合否を左右していた」ことがなぜいけないのか。だからこそ公平なのである。試験を三回実施して、その三回の難易度が同じかどうかわからないのに、その得点を絶対評価でモノサシにするなんてことの方がはるかに不公平だろう。そもそも問題を出題する側にとって、その問題の平均点がどれくらいになるかを予想することはきわめて困難であり、平均60点になるように作成したとしても決して狙い通りにはならないのである。
試験を三回実施して、その中で一番得点の高かったものを出願時に利用可能にするのならば、その3回の実施時期はいつになるのか。高校の年間の行事予定のどこに入ってくるのか。その時期に修学旅行や学園祭、体育大会などの行事を組んでいれば変更を余儀なくされるだろう。全国のすべての高校がなんらかの日程変更をしなければ対処できないのである。
ろくに勉強もせずにその結果できなかったヤツが「こんな一回の試験で人生が決められるのはおかしい」と文句を言うのは実に情けない。そんな大事な試験なのになぜおまえは勉強してちゃんと取り組むことをしなかったのか。その大事なセンター試験で受験番号を書き忘れるようなボンクラ受験生が毎年0.1%ほどいるのである。57万人受験生の0.1%といえば570人である。ほとんど勉強しないで受験する者も大勢いるのである。だから決して難問でもない試験なのに平均点は6割程度なのだ。オレは教えてる生徒たちに向かって言う。「世間には古文や漢文の受験勉強を全くしないで受ける受験生も大勢いる。単純な係り結びの問題でさえ正解率は3割程度だったりする。だからきちっと勉強すれば必ず高得点が取れるのだ!」と。
現行のセンター試験と大学が個別に実施する二次試験を組み合わせた受験システムは実によくできている。センターと二次試験の配点比率は千差万別だ。センター試験の得点でほとんど決まってしまう大学がある一方で、圧倒的に二次試験の配点が高い大学もある。また二次試験が英語だけ、数学だけ、小論文だけというふうにスペシャリストに門戸を開く大学もある。受験生はそうした違いを考慮しつつ自分にとってベストの大学を選ぶことができるのである。これまで何十年もかけてその仕組みはできあがってきたのだ。それをすべてぶっ壊そうとしてるのが文部科学省のやろうとしていることなのだ。オレはそのまちがった方向性をなんとしても阻止したいのである。おそらく多くの高校教員が同様のことを感じているはずだ。
大学の研究機能の強化と受験システムの問にはなんの関係があるのか。入試を改変したところでよく勉強した受験生が合格してそうでない受験生が落ちることには変わりない。むしろそれが変われば問題だ。大学をゆがめているのは入試ではなくむしろ早すぎる就職活動である。そんなこともわかってない文部科学省のボンクラ官僚が、制度を変にいじくって壊してしまうのがオレは絶対に許せないのである。
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07月28日(日)
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