ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18866397hit]
■大相撲が八百長でもいいじゃないか
しかし、相撲の世界を支えているのは横綱になれるような天才力士だけではない。幕下から序ノ口に至るまでの多くの力士が相撲で食べていかないといけないのである。高収入が約束された幕内力士がその地位を維持するために必死になるのもよくわかるし、勝ったり負けたりを繰り返しつつ番付を現状維持するだけの大勢の力士が存在しなかったらそもそも相撲という興行が成り立たない。だからオレは、星の融通という形の八百長はこの世界に存在する一種の必要悪みたいなものだと受け止めていたのである。そんなことにいちいち目くじら立てなくてもいいじゃないかと。
もしも東京五輪で採用されたのが柔道ではなくて相撲だったとしたら、今の大相撲は全く違った方向に進んでしまい、世界で人気のあるスポーツとして認知されただろう。アフリカや中国の力持ちたちが技を競い合う中で、世界最強の男を決める真の格闘技世界一戦になったと思うのである。しかし、相撲はそんな形には進まなかった。スポーツではなくて伝統芸能としての道を選んだから今の不人気がある。
外国人労働者を導入することによってなんとか今の相撲興行は支えられているが、今回の八百長発覚事件でかなりのダメージを受けるのは確実だ。そうなると果たして入場料収入だけでやっていけるのかと思うのである。相撲が赤字産業になった場合、もはや政府の補助金無しではやっていけなくなるだろう。歌舞伎や能のように古典芸能として保存されるようになるのかも知れない。文部科学省の庇護のもとで細々と生き残るしかないかも知れないのだ。赤字になって高収入が保証されなくなれば外国人力士たちはみんな帰国するか、プロレスや総合格闘技に移籍するだろう。
大相撲が八百長でもいいじゃないか。仲間の間で星を融通し合うその結びつきがなぜいけないのか。オレは今回名前が出てしまった力士たちに寛大な処分が下ることを願っている。彼らはただその世界のしきたりに従っただけであり、間違ったことをしているという意識は何もなかったはずだ。多小の八百長があるかも知れないと思いつつ、目くじら立てずに見て楽しむのが大人の観客である。千秋楽に7勝7敗の力士の8割以上が勝つことなんて、確率論的に考えてもおかしすぎるじゃないか。相撲とはもともとそんなものであり、きわめて日本的なものである。
↑エンピツ投票ボタン。押せば続きが読めます。登録不要です。
02月04日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る