ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18829514hit]
■毎日新聞の社説を罵倒する
子供を一時的にしろ引き離した今回のケースは、それを示唆している。毎日新聞 2008年4月15日 東京朝刊
毎日新聞の論調は「子どもには何の罪もないのに入学式に出席させなかったのはおかしい」ということがメインであり、記事題名の付け方からしてもそれを強調したいということがわかる。オレはこの話を聞いて、専修学校に勤務してた知人から聞いた話を思い出した。その専修学校では、就職も決まったとある学生の授業料が未納のままであり、そのままは卒業資格が取り消されるので就職もパーになってしまうという状況が起きていたのである。その生徒の親は「たかが学費のことで卒業できず、就職も取り消されるというのは子どもがかわいそうです。子どもには何の罪もないのですから」と食い下がった。天下の大新聞である毎日新聞の大社説が、基本的にはこのモンスターペアレントと同じレベルの言い訳を主張してるのを読むと、オレは暗澹たる気持ちになる。毎日新聞の記者のレベルはこんなにも低かったのかと言うことである。
「こんなにがんばってるんです。せっかく就職も決まったんです。卒業させてくれないなんてあんまりです!」そう食い下がる親のために、その専修学校では特例で後納を認めたのだが、結局ゼニは踏み倒されたそうである。払うべきゼニを払わない人間というのはしょせんそんなものなのである。払うべきゼニをちゃんと払えるかどうか・・・これはその人間が信頼に値するかどうかの大切な判定基準なのかも知れない。
事前相談にも来なかったのに平気で忘れた親というのは「催促されても払う気はなかったが、子どもが入学式に出してもらえなかったというのを聞いてあわてて払いに来た」という程度のレベルなのだろう。一方、分納を約束したのにその一回目を持参しなかった生徒の親も夕方にはちゃんと届けたという。
毎日の記事では「それはまず保護者に働きかけるべきことであり」とある。しかし学校側はちゃんと保護者に説明済みだ。それを「一度しか説明していない」とか「説明が不十分で不徹底だから親は持ってくるのを忘れたのだ」とあくまで学校を責めようとする親や、学校を謝罪させようとする尾木正樹などというおかしな教育評論家もいるが、この場合はちゃんと聞いていないから、仕組みを理解していない親の方が全面的に悪いのである。ゼニが間に合わなかった時点で二人の合格を取り消していてもオレは妥当な判断だと思う。それを「とりあえず入学式の出席を保留にした状態で支払いを待つ」とした高校側のとった態度は「温情措置」であり、どこからも責められるものではない。いっそ「合格取り消し」にして門前払いすればよかったのだろうか。「友と一緒に入学式に出られないのはかわいそうだから、そんなかわいそうなことをする学校が悪い」という非論理的なことを根拠に毎日がこの社説の主張を行ってるのだとしたら、あまりにも情けなくてオレは同情したくなる。
入学金を払えないことは親の側の問題であり、経済的な理由のために進学できないことはかわいそうな話だが、少なくとも高校以上の教育は義務教育ではない。いくら入試でいい点をとっても、親が入学金を払ってくれない場合はその合格を取り消されても文句は言えないはずだ。それが社会のルールなのである。
ただ一度しかない入学式を台無しにしたのは、生徒を隔離した学校側ではなくて、ちゃんとゼニを持参させなかった親である。だからこの事件の場合、謝罪するのは学校や教師ではなく、「払う」という約束を破った親の方が、生徒に謝罪し、世間を騒がせたことにお詫びするべきなのだ。
↑エンピツ投票ボタン。押せば続きが読めます。登録不要です。←1位を目指しています! m(_ _)m
04月21日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る