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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■誰かが代わりに働くと言うこと
江戸時代の身分制度は支配を確固たるものにするために実に巧妙にできた仕組みであった。オレは今の社会の仕組みに同様のものを感じるのである。たとえば10人の社員に一律に400万円の年俸を払うのではなく、一人だけ1000万を与えて残りを200万にすれば、総報酬を4000万から2800万に抑えることができる。社員に格差をつけるというのはそういうことなのだ。今の格差社会というのはまさにそうした状況なのである。企業は賃金コストを抑えることができたために過去最高の収益を上げ、その一方で労働者の実質賃金は毎年減少している。2007年度に過去最高益を上げた企業が多かったが、それらの輝かしい企業業績というのはすべて労働者を犠牲にして達成されたものであるということを忘れてはならない。
教師としてのオレはあまりにも無力だ。このような状況を生徒たちに説明しながら言えることは「がんばって勝ち組になって生き残れ」でしかないからだ。10人のうち1人しか正社員になれない社会がやってくるとするなら、その1人になれるように努力しろとオレは生徒に訴えることしかできない。こんな世の中は間違ってるから打ち破れという主張は空しい。なぜなら誰もその方法を示せないからだ。オレが信じるのは、そうして10人に1人の勝ち組になってくれた生徒の中に、こんな世の中は間違ってるからとそれを打ち破るような人間が出てくれる可能性だ。世の中を変えるためには勝ち組にはいるしかないからだ。
今オレが教えてる生徒の中には、将来日本を代表するような大企業に入って、もしかしたらその経営者となるような者が現れるかも知れない。彼らが勝ち組になれば当然のように消費税をさらに引き上げ、労働者に対する搾取を行う側に回るかも知れない。しかし、オレがこうして訴えることはきっと彼らの中に1人でも、今の社会の持つ矛盾や問題点に気が付いてそれを改めようとする者が出ることを期待するからだ。オレの訴えが決して無駄ではないと信じているからだ。
この世には多くの職業が存在し、誰かを楽にするために誰かが犠牲になっている。誰かの便利のためには常に誰かが苦しみを強いられている。酔っぱらってそこらにゲロを吐く迷惑なヤツが居る一方で、それを黙々と清掃する人もいる。この世は常に誰かの犠牲の上に成り立っているのだ。オレたちは謙虚にその事実を受け止め、そしてすべての労働者に対して、すべての職業に対して限りなき畏敬の念を持って接していかなければならない。どんな職業もこの世には必要であり、そのおかげで多くの人々が救われているのであると。そしてその労働者はすべて「派遣」や「期間」ではなくて、自分が定年までその労働をして生活していける権利、生活を維持するのに足りる収入を確保する権利を等しく有するべきであると。オレはそれを常に訴えていたい。
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01月03日(木)
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