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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■9・11テロの本質とは何か?
強大な軍事力というのは使わないときに限って言えば最高の外交の道具である。核兵器が外交のツールたり得るのは使わないからであり、あんな危険なものを一度使ってしまったら人類が滅亡するしかない。さすがにどの国もそんな無意味なものを保持してることにやっと気が付いたわけだが。日本軍も実際の戦争を起こさずにそのまま保持しているだけで十分だったのだ。
太平洋戦争開戦時、あれだけの規模の空母機動部隊を保有する国家は日本とアメリカしかなかった。太平洋だけに限定すれば日本は圧倒的にアメリカよりも優位にあった。もしもそれを日本が使わなかったら、つまりそれを誇示することで外交交渉を進めることができれば全く違った結果になったのではないか。少なくとも英仏蘭は東アジアで日本に対抗することは不可能だっただろう。太平洋戦争が起きなかったとしたら、その後の世界は日米の二大国、あるいは日米ソ三大国を軸にして動いていたかも知れないのである。戦争が起きなくてもアジアの覇権を日本が握っていたことは間違いなかっただろうし、少なくともアジアに於いて軍事的に日本に対抗しうる国家は存在しなかったのだから。
日本に真珠湾で太平洋戦争の第一弾を撃たせたこと、そこにオレはルーズベルトの深慮遠謀を感じるのである。リメンバー・パールハーバーはアメリカ国民の心を戦争協力に向かわせるのに大いに役立った。なぜ日本政府は石油の禁輸という経済封鎖ですぐにやけっぱちの暴発をしてしまったのだろうか。中国戦線からの完全撤退というハルノートで突きつけられた要求を、「受け入れる」ふりをするという高度な外交術がもしも当時の日本政府にあれば、少なくとも衝突は避けられたのではないか。受諾しておいて「大人数なので撤退するのに時間がかかっています」という言い訳だって可能だったはずだ。宣戦布告の通告が遅れたことが「卑怯なだまし討ち」と米国民に受け取られたのは結果論だが、そうした些細なことでさえもルーズベルトには重要なプロパガンダの手段となった。
ドイツ軍がモスクワやスターリングラード攻防戦で消耗したことがあの戦争の大きなターニングポイントとなったように、日本軍も南方戦線で消耗戦を続けるうちに貴重な戦力を失っていった。日本軍にとってもっとも大きな過ちは補給を軽視したことであった。中国では補給を略奪に頼ってたわけで、もともと日本軍にはまともな補給の発想などなかった。戦争末期には補給を絶たれた多くの日本兵が餓死に追い込まれ、弾薬が不足して満足に戦えないこととなった。しかし、そのような大局的な現象はすべてルーズベルトには予想されたことだったわけだ。米軍が反抗を始めれば、日本が伸びきった戦線を早晩維持できなくなることは明白だった。戦争をどのように終わらせるかということに関して、日本の指導者たちはほとんど何も考えていないに等しかった。マッカーサーはコレヒドール要塞から脱出するときに「I shall return.」と語ったそうだが、あの戦争の行方を見通していたから言えたのだろう。マッカーサーがルーズベルトの深謀遠慮を知る一人であったことは間違いない。
ヒトラーがスターリングラードの第六軍の降伏を許さずに全員の戦死を望んだことと、日本軍の兵士が次々と玉砕したことはよく似ている。もしも「本土決戦」なんてことになれば、今私がこうして日記を書くことなどなく、日本という国家は世界地図の上から消滅させられていたかも知れない。民族の存続のために「無条件降伏」というのは英断だったと思いたい。多くの犠牲を払って我々は戦争の愚かさを知った。オレが日本に真の平和国家樹立の可能性を信じるのは、あの戦争を経験したからこそだと思っている。
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01月01日(火)
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