ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ダムを飲み込むダム
 昭和38年に目屋ダムを造ったのにその後も洪水などの被害が度重なったのはなぜか。それはダムによって治水できるという発想が間違っていたからである。目屋ダムの上流に造られた弘西林道はブナの原生林をかなり破壊して開通したのだが、その建設の結果として頻繁に崖崩れが起きるようになり、それが堆砂を増やしてダムの寿命を縮めることとなったことを忘れてはならない。建設は途中でストップしたが、さらに白神山地をぶちぬく青秋林道を造るという計画もあったのだ。もしもそんなものが造られていたらいったいどうなったのか。おそらく世界遺産の指定からははずれていただろう。

 自然林が持つ洪水などの調節機能を破壊したのは他でもない人間の側である。そこに目屋ダムが存在するということが既に壮大な環境破壊だったのであり、その反省をするどころか現在の状況を勘違いしてさらに大きな破壊で応えようとしてるしているのである。まともな頭で考えればそのオカシサに気づくわけだが、ゼニの誘惑に負けるとそんな当然のことが見えなくなるのである。何しろこの総事業費1600億円のダム工事が始まれば、毎年100億以上のゼニが地元に落ちるわけだ。ちなみに西目屋村の人口は1599人(平成17年度)、ダムの総事業費は1600億円だから村民一人あたり1億円ということになる。なんとも大盤振る舞いしたものである。

 不思議なことは、オレがネットでこの津軽ダムの検索をしても、なぜか建設工事反対運動のサイトにはたどり着けないのである。もしかしたら反対運動が存在しないということなのだろうか。ダム周辺に棲息する貴重な動植物についての記事は発見できるのだが、だからどうこうするという内容の記述はない。そのうちオレはこれらの記事が全部八百長であるような気がしてきたのである。ただ単に「このような貴重な生物が確認されましたよ」という報告で終わっていて、ダム建設によってそれがどうなるのかという肝心の部分が抜け落ちているのである。これらの御用調査は「いちおう調査はしました」という単なるアリバイ作り程度の意味しか持たないのである。

 イナカモンドリームをなんとしても実現したいというイナカモンのスクラムは強力だ。地方議員や土建屋を巻き込んでなんとしても巨額の税金を国から引っ張ってこようとする。それだけの税金を投入する意味などないのにである。1600億円もそんなものに使うくらいなら、毎年50億円ずつの農業補助金を30年ばらまけばいいのである。30年ごとにダムを作り替えるのとほぼ同じ経費で環境破壊なしに効果が上げられるだろう。オレはいつも思ってるのだ。「そんなにゼニが欲しいのならみんなくれてやれ!そのかわり環境はそのまま維持してくれ!」と。イナカモンたちも何もしないでゼニだけもらえるのならその方が嬉しいはずである。

 こんなダム建設に簡単にGOサインを出したところを見ると世界遺産白神山地の破壊はこれからもどんどん進むだろう。中国からは黄砂と酸性雨がやってきて日本海側の森林を痛めつけている。我々が後世に残せる自然としていったい何が生き残るのだろうか。

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04月03日(火)
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