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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■毒を平気で喰わせる連中
岩塩にはヨードが含まれていないことから、世界的に海の無い内陸地域では「ヨード欠乏症」が発生している。中国では多くの地域で水や土壌にヨードが含まれておらず、全国的に「ヨード欠乏症」の患者が大量に発生していた。ヨードが欠乏すると、子供は脳の発達が阻害され、成人は甲状腺機能低下による甲状腺腫(甲状腺が腫れ上がる病気)を呈する。中国では1996年に「食塩にヨードを添加する法律」が施行され、食塩にヨードを添加することが義務づけられた。
このため、中国で市販されている食塩の包装には「」(ヨード塩)と明記されている。だが、偽塩にはヨードは含まれておらず、長期間にわたって偽塩を摂取すればヨード欠乏症に罹る可能性も極めて高い。
2006年10月、貴州省余慶県龍渓鎮の診療所に急病の子供3人が担ぎ込まれた。その内の1人は人事不省で危篤状態にあったが、その後も急病患者は増え続け、1時間の間に50人以上に達した。急を聞いて駆けつけた余慶県人民医院の王華平副院長は、患者の病状に軽重はあるものの、症状が類似していることから、亜硝酸塩中毒によるものと判断した。最終的に患者17人が亜硝酸塩中毒と判定され、症状の重かった子供は懸命の救命治療のかいもなく死亡したが、残りの16人は命に別状なく回復することができた。
その後の調査によれば、急病患者のほとんどが3時間前に何軒かのビーフン(米粉)店でビーフンを食べていたことが判明した。そこで、患者の食べたビーフンと嘔吐物を検査したところ、1軒のビーフン店はビーフンから、また他3軒のビーフン店はお茶の中から、それぞれ亜硝酸塩が検出された。(註:この地方ではお茶に塩を入れて飲む習慣がある)
この事件を重視した塩管理部門並びに公安警察は、これらビーフン店の食塩購入先から遡って調査を行い、遂に「工業塩」を「食塩」と偽って販売した卸元である曹敏を逮捕した。曹敏を追及した結果、曹敏は四川省の「天渠塩化有限公司」から亜硝酸塩を購入したことを自供したので、捜査員は速やかに天渠塩化有限公司へ出向いて調査を行い、以下の事実を確認した。
曹敏は重慶市に実在する「高盛化工有限公司」向けと偽って247トンの亜硝酸塩を買い付けた。曹敏は買い付けた亜硝酸塩を、皮革工場向けに60トン、食品工場向けに130トン、残り(57トン)を食塩の小売市場へ販売した。曹敏が「天渠塩化有限公司」と契約した数量は5000トンであり、もし犯罪の摘発が遅れていたら、亜硝酸塩は継続的に販売され、被害はもっと大きくなっていた。曹敏の「天渠塩化有限公司」からの買い入れ価格は1トン当たり230元、これに重慶市までの輸送費を加えた原価の合計は320元で、これを客先ごとに異なる価格で販売しており、最高価格は1トン当たり1400元であった。
食塩なんて安いモノじゃないかと思うのだが、その食塩(塩化ナトリウム)の代わりにさらに安い亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウムか?)を使った偽塩が大量に出回っていたということなのだ。亜硝酸ナトリウムは食塩よりもさらに価格が9分の1程度の安さで、工業用原料ということになっている。この亜硝酸ナトリウムとアミン類を一緒に食べると、ニトロソアミンという強力な発ガン性を持つ物質が胃の中で作られる。確実にガンになって死ぬわけである。なんと怖ろしいことだろうか。遅効性の毒だからすぐに被害が発生するわけではないが、それにしてもなんてひどいことをするのかとオレはあきれる。オレがいつも主張する「民度が低い」というのはこういうことなのだ。それによって人が死ぬようなことでも平気でやれるような国民性に対してオレは「民度が低い」と言ってるのだ。
オレの周囲には「中国からの輸入品は絶対に食べない」と主張する方が多い。残留農薬にしても時々基準値を超えたものが発見される。できることなら国内ですべて自給できることが望ましい。しかし国民がコメをどんどん喰わなくなってしまった今、食糧自給率を上昇させるのはほとんど絶望的だ。それならせめてまともな国から輸入して欲しいのである。毒を平気で喰わせるようなことのない国という意味だ。少なくとも中国はそれには該当しない。ペットフードの問題にしてもそうだ。
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03月25日(日)
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