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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■プリンの思い出
 公立高校に勤務するようになったオレの行動範囲内にはビッグボーイというファミリーレストランがあった。職場にもほど近かったので時々利用したのだが、そこにはサラダバーがあって、なんとその中にはプリンやゼリーというデザートが用意されていたのである。オレはものすごく食い意地の張った人間である。取り放題のサラダバーではかなりどん欲に喰って喰って喰いまくるのである。そのサラダバーにこともあろうにプリンがあるのだ。オレが食事の後でプリンばかりお代わりしたのは言うまでもない。オレはいつも、そのサラダバーのコーナーに存在するプリンが全滅するまで喰いまくった。そんなオレを「食い意地の張った馬鹿」と思う人も多いだろう。しかし、プリンもおれのようにプリン好きな人間に喰われてこそ本望なのである。他の有象無象どもに喰われるくらいならオレが全部喰って消化してやるのである。長いことプリンに飢えていたオレにとって、ビッグボーイというのは数少ない貴重なプリンを喰わせてくれる店だったのだ。

 それから長い年月が過ぎた。ビッグボーイは親会社であるダイエーの経営不振に巻き込まれてしまった。確か煽りを食って売り飛ばされたのじゃなかっただろうか。その中でおそらく収益のプラスにならないプリンは切り捨てられたのだろう。先日久しぶりに行ったビッグボーイのサラダバーのコーナーには、他のファミレスとたいして変わらないレタスやコーンやブロッコリなんかが並んでいた。もうそこにプリンはなかったのである。オレは食事時にビッグボーイを選ぶという理由をこれで永遠に失ったのだ。これからもオレはプリンを食べ続けるだろう。しかし、大学生の時に作って食べたあのどんぶりプリンの至福を超えるようなプリンに出会える自信はない。息子もオレに似てプリンが好きである。これもまた宿命である。息子はオレよりも贅沢で「焼きプリン」が好きだったりする。

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01月24日(水)
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