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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ガソリン税の正しい使い道について
国鉄が借金で破綻した理由の一つは国民のモータリゼーションが進んで鉄道利用者が減ったからであり、鉄道を利用せずにクルマに乗る連中からも、ある程度のゼニを取ってそれを鉄道という公共財の維持にあてなければならなかったのだ。北海道なんかは特にそうだ。もしも北海道で入ってくるガソリン税の莫大な収入のほんの一部でも、赤字ローカル線の穴埋めに回してやれば、北海道の鉄道網はそのまま維持できたはずである。天北線や羽幌線、標津線と言った超ローカル線の維持に必要なゼニはわずかなものだった。北海道のクルマの台数を200万台として、その200万台がすべて年間に5000キロ走り、平均燃費が10キロ/リットル、1Lあたりのガソリン税が50円とすると500億円のゼニが入ってくる計算になる。そのうち10%でも鉄道の赤字穴埋めに回してやればそれで全路線を維持することは可能だったんだ。何もない過疎の町でも鉄道が通ってるということがひとつの財産だ。そんなことの価値もわからないクソ政治家ばかりだったのが悲劇の原因だが。
結局国鉄を分割民営化したものの、旧国鉄債務は棚上げになったまま塩漬けされてるじゃないか。このゼニをどうやって返すかというあては全くないわけだ。もしもガソリン税から年間1兆円ずつその債務返済に回すという計画を立てれば利息を含めても50年で返せるだろう。元金のみに値切り倒せば30年だ。交通を体系的に考えるという大義名分も立つじゃないか。なぜそんなことを誰も思いつかないんだ。鉄道を高架化したり地下化したりする時の費用だって、新線建設の費用だってガソリン税から出せるようになるんだ。なぜそんな仕組みを作らなかったんだ田中角栄。おまえが中途半端にこんな仕組みを作るから、自民党はその利権に群がる拝金野郎ばかりになってしまったんだぜ。
森喜朗は「納税者も、税金が高いけど道路整備のためならと納得した。ほかのものに回すのはなかなか理解が得られない」と言ってるという。普段は納税者など踏みつけにしてるくせに、こんな時にだけ何が「理解」だ。ふざけるな馬鹿野郎。納税者は「ゼニが余ったから要らない道路まで造らせてください」という悪い冗談に納得なんかしていないのだ。「余ったら返せ!」とみんな思ってるのだ。そのガソリン税を使った道路建設の費用の多くは、道路計画予定地をあらかじめ政治家から聞いて前もって土地を買った連中の転売益だ。オレがもっとも忌み嫌うあのイナカモンドリームのために無駄に使われるゼニだ。
オレはガソリン税の税率をもっと下げてくれなどという自分勝手なことは言わない。ただ、てめえら馬鹿政治家が、少子化が進むこれからの日本の交通体系をどうやって完成させていくのかという明確なビジョンを全く持っていないことにオレはあきれているのである。廃止されてしまった多くの鉄道は、高齢化社会を考えた時には大切な地域アイテムだったはずである。
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12月04日(月)
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