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サッカー観戦日記
by T.K.
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■雑文:京都開幕戦の戦術・起用法批判
J2開幕戦町田戦の京都について。布部監督不支持は昨年から一貫して唱えてきたことではあるが、改めて。
京都
−−−岩崎−−大野−−− −−−−−−−−−−−−
湯澤−−−−−−−小屋松 −−−−−−−−−−−−
−−−望月−−仙頭−−− −−−−−−−−−−−−
本多−闘莉王−染谷−石櫃 −−−−−−−−−−−−
−−−−−清水−−−−− −−−−−−−−−−−−
サッカーで最もシンプルな得点法は距離のある後方からロングボールを入れてゴール前でヘッドで勝って直接、あるいは落としたボールを決めることだ。しかしシンプルゆえに対処法も確立されており、極端な話、100年前の戦術である。
昨年京都は闘莉王をデカいという理由でFW起用し、ロングボール作戦を行った。無論ユース年代をメインに観ている私は闘莉王が渋谷幕張高校時代、トゥーリオ・タナカとしてアタッカーだったことは知っている。しかしプロレベルでアタッカーとしてやっていく適性や技術はなかった。
昨年仙頭をボランチ起用したのも謎だった。仙頭は京都橘高校時代にFWで高校選手権準優勝(PK負け)に大きく貢献し、小屋松とともにダブル得点王に輝いた。スピード・技術・得点感覚・突破力に優れ、2トップを組んだ小屋松とともに下がって受けてパスを出すこともできる選手だった。東洋大に進みサイドハーフとしての適性も伸ばした。一方で身体がなく(171cm64kg)守備面でガツガツ潰すパワーも守備センスもなく、中盤の底で捌くことはできても、あくまで強靭な守備職人タイプのボランチと組んで初めて活躍できるかどうか?といったところだろう。
さて、今期開幕戦を観た限り、布部監督は戦術上のセオリーをことごとく破っており、このような行為に出る監督はよほどの天才戦術家か、あるいはよほどの(以下略)であろう。「先覚者はつねに理解されぬもの。もはや一時の不和、非協力は論ずるにたらず。永遠なる価値を求めて小官は前進し、未来に知己をもとめん」とでも思っているのであろうか……?
では開幕戦の配置について。深いバックラインを特徴とする京都においてセンターバック陣の高さは不可欠だ。なぜならば先に述べたサッカーにおけるもっとも簡単なゴール、ロングボールを放り込んでゴール前で高さで負けては簡単にゴールを割られるからだ。ここには染谷(184cm78kg)と闘莉王(185cm85kg)を配置した。さらには牟田(187cm83kg)と増川(191cm93kg)をバックアップに揃えたのは布部戦術的には合理的だ。バックラインを押し上げず前線と間延びした状況でのサッカーにはこれしかない。
一方でボランチは阪南大からユニバー代表キャプテンとしてユニバーシアード優勝に大きく貢献した重廣(179cm66kg)、体格データ以上にパワーがある、を加入させ、待望のガツガツ潰せるボランチを手に入れたかと思ったらベンチに座っておる。また期待のウルグアイ人カセラス(168cm63kg)は身体の無さから言ってガツガツ潰せる守備力はあるまい。開幕スタメンは守備に難がある仙頭と望月(167cm61kg)だ。確かに望月は中学時代のセゾン、高校時代の野洲高校から一貫してボランチの選手だ。しかし常に松田惠夢という守備のしっかりしたボランチとコンビを組んでいた。つまりけっして単独で潰せるタイプではなくそういうタイプと組んで中盤の底から組み立てるタイプだ。G大阪の遠藤あたりにタイプとしては似ている。中盤のデュエルでは仙頭共々負けてしまう。こういうタイプにボランチを組ませるのは戦術上のセオリーに反する。更に町田が京都のボランチへのパスコースを意識して寸断。受け方にチームとしての約束事がないために、望月がバックラインまで下がって受けて長いボールを蹴るシーンが目立った。つまり望月の攻撃面での個性も活かせなかったのだ。仙頭も飛び出せないから攻撃面での持ち味を出しようがなかった。
FWに大野(184cm80kg)を置くのも布部監督の戦術においてはマストだが、後方からのロングボールに勝つのは滅多にできることではない。
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02月25日(日)
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