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サッカー観戦日記
by T.K.
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■プリンスリーグ関西 草津東−近大和歌山 野洲−大阪桐蔭
この日のプリンスの会場はアスパ五色、奈良産業大信貴山グラウンド。水口スポーツの森の3ヶ所。アスパ五色は淡路島。あわぢしまといえば、阿波の地なので私にとっては完全に四国。サッカー会場の中で最も優先順位の低い場所である。06年国体以来行っていない。奈良産業大と水口スポーツの森とで迷ったが、対戦カード的に水口のほうがよさそうなので、こっちにした。しかし水口に問題がないわけではない。

JR草津線貴生川駅(XPの辞書に入っていないので一文字ずつ入力)から徒歩20分だが、途中上り坂がきついのだ。峠を越えて今度は下るのだが、これが帰りには上り坂として立ちはだかる。はっきりいってしんどい。しかも昨年はこの会場、柵の中に入ってタッチライン際で観戦できたが、レフェリングの邪魔になると判断されたか、今年は柵の外からの観戦に変更された。本部やベンチのテントが邪魔で観戦しづらい。何とかハーフウェイライン付近とゴール前は観られる場所を確保したが、観戦困難この上ない。もちろんプレーヤー・ファーストだし、しょうがないが。

第1試合は2部。草津東といえば、小林前監督時代に低迷していた関西勢の壁を打ち破って選手権準優勝を果たし、関西でもやれるんだ、というムードを作り上げてくれたチームである。当時は組織優先のサッカーだったが、雨森監督になってから個人が前面に出たスタイルになってきている。

一方の近大和歌山は個人的に最も注目しているチームの一つ。「ナンバー」の676号に開成高校野球部のノンフィクションがあった。弱者の兵法がキーワードだ。開成はいわずと知れた東大合格者数日本一の、超進学校である。入学する選手は基礎体力に欠け、運動能力も低い。走り方からしておかしい選手もいる。しかもグラウンドは週1回、3時間程度しか使えないと言う。そのような環境でいかにして勝つか。

それによると、1番打者が出塁し、2番打者がバントで送り強打者でホームに返す野球のセオリーは開成野球部には当てはまらないという。すぐに大量失点するからだ。そもそもバントとは(豊富な練習量に裏打ちされた)高度な技術であり、開成には無理だと。かといって守備の強化も効率が悪い。猛練習で身につく守備力が発揮できるのは各個人で1試合に1度程度だと言うのだ。ならば正面付近に来るやさしい打球を処理できるだけの守備力があればよい。あとは打撃を磨き、大量得点を狙う。数年前東京大会でベスト16に進出したときは、コールド勝ちが多かった。

で、サッカーの話になるが、超進学校が高校選手権に出場できないか、ということである。ベスト16程度ならいくらでも例がある。強豪校と同じサッカーでは体力負けする。そもそも自陣で守備を固めてロングボールを蹴り出すサッカーをするにはパワーもキック力も足りない。どうしても「弱者の兵法」が必要になる。

基礎体力もパワーも高さもスピードもない。技術・スタミナは並、という条件ではやれるサッカーは限られてくる。強豪中学相手に弱小校が引いて守っては空中戦に完敗し、大量失点を食らう試合など見飽きている。引いて守っては守りきれない。かといってバックラインを上げすぎると、裏を取られると追いつけない。ゴールラインから25mくらいを目安にラインを定め、中盤で粘り強くプレスをかけ続けるしかないだろう。当たってもはね返されるだろうから、とにかく粘り強く身体を寄せ、密着させる。FWも守備重視で、相手バックラインからロングボールを入れにくくさせる。攻めはカウンターのパターンを決め、(チームの中では)俊足のFWに賭ける。普段の練習では判断力を磨き、攻守の切り替えを早くする。PKの練習も抜かりなく行う。まあこんなところだろう。


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04月19日(日)
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