ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4380538hit]

■高校選手権大阪大会準決勝 阪南大高−近大附 興國−大阪桐蔭
序盤、興國はバルサ・スタイルでパスを回そうとする。しかしC青山が下がりすぎてバックラインのちょっと前でボールを受けるなど、相手のギャップでボールを受けて2,3人引き付けて、空いた味方に次々につないでいくような部分が足りない。つまりボール回しがスムーズじゃない。技術が足りないから相手の間でトラップして次につなげないのか。ギャップで受ける意識が足りないから、技術が磨かれないのか。いずれにせよ、こういうチームはレベルの高いゲームでは格好のハーフカウンターの餌食となる。12分、F南からO前島にパス、1対1もGK飛び出し止める。決定機。14分、桐蔭、右で奪ったボールを大きく開いた左で受けたH田中が切れ込み、左ペナ内で切り返し逆足の右足で右上隅に決める。0−1。27分、桐蔭E筏に警告。ラフ。足を上げた。30分、桐蔭、中央でのつなぎからスルーパスにJ堀口右突破、決めて0−2。38分には桐蔭のスルーパスに興國GKが出るのを躊躇してしまい、桐蔭H田中が猛スピードで追いつき決める。0−3。39分、桐蔭J堀口に警告。結局前半は0−3で終了。

前半のシュート数は0対4シュートの少ないゲーム。

興國を見ていると、かつての桐蔭を思い起こさせる。桐蔭は理想からやや現実寄りに舵を切った。タイプは違うが野洲や久御山は理想にこだわった。興國がどういう成長曲線を描くかは分らないが、後半のゲーム運びは一つの判断基準になるだろう。このままパス精度を高めていくのか。私の持論として、ドリブルを得意とするチームは相手のドリブルに強く、パスを得意とするチームは相手のパスに強い。パスとはスペースを見たり効率的に作って生かす作業だから、守備時にも危険なスペースを見つけられるからだ。前半の大阪桐蔭はまさにそうだった。しかし興國は守備面で甘かった。つまりパスセンスが磨かれておらず、相手の狙いを察知できていないのだ。ここをどう修正できるか。

ハーフタイムで大阪桐蔭E筏→F俵石。3分、興國J竹夲→P古橋。3バックに変更。中盤をダイヤモンド型に組みなおす。古橋をCFにして前島を中盤に下げる3−4−3。しかしこれで中盤を支配できたかと言えば、そうでもなかった。12分、桐蔭H田中のグラウンダー左クロスにP羽座ファーフリーもトラップミス。超決定機。羽座はウイングタイプで突破力はあるが、こういうミスもあるので、中央のスペースの無いエリアでは生きないタイプ。17分、桐蔭、前線へのフィードがJ堀口へ、DFに競り勝ち前が空いた状態でミドルも右ポスト直撃。18分、興國I山本が奪って左スペースへ、相手が寄ってきたところをペナ正面のF前島へ、トラップに手間取るが右に流れながらターン、決めて1−3。18分、桐蔭J堀口→O丹羽。19分、興國O南に警告。シャツを引っ張った。21分、桐蔭A紀田の左クロスにH田中がファーでフリー、得意の左足シュートは右に外れる。決定機。興國O南→R金。26分、桐蔭H田中の左足右CKにB福井ダイビングヘッド、外れる。決定機。30分、興國F前島→Q国領。31分、桐蔭、H田中、I中村→Q長谷、L白井。32分、興國E新屋→Q井上。

興國の布陣をまとめると↓の感じ。

−山本−−古橋−−和田− 
−−−−−井上−−−−− 
−国領−−青山−−金−− 
−−宮崎−北谷−水落−− 
−−−−−井上−−−−− 

40分、興國Q国領に警告。その後たくみに桐蔭が時計を進め、1−3で終了。

後半のシュート数は1対11と完全に桐蔭ペースだったが、決定機3回に迎えたと言えなくも無い。興國はパスを回せなかったが、回させもしなかった。桐蔭が意図的にロングパスを使い、興國3バックのサイドのスペースを狙ったサッカーでゲームを支配した。しかし、興國は下級生がほとんどなので、来年以降が楽しみだ。理想へのこだわりがどう出るのだろうか?魅力と言う点ではベスト4中随一だったと思う。このサッカーで全国に出られれば、好素材も集まり、一層強くなるだろう。


[5]続きを読む

11月06日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る