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サッカー観戦日記
by T.K.
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■京都高校新人戦準々決勝 洛北−久御山 東山−京都橘
橘のフォーメーション図を見て妙に思われるかもしれないが、最初は4−4−2と思った。しかし中盤と前線のバランスの違う4−3−3だ。東山の左サイドバックが攻撃的な選手で守備力が落ちるため、そこを突く戦術かと思ったが、新チームはこういうやり方らしい。
東山は昨年が藤本のワンマンチームだったので、その依存からどう脱するかと思ってみていたが、局地戦で激しく守っている。全国で戦えるチームというのは、局地戦に強いチーム。つまり守備で味方のカバーに頼ることなく一人で何とか当たって食い止めたり、攻撃面でもドリブルで抜けないまでも、起点を作ったり出来るチーム。全国常連チームはそういう基本がしっかりしている。逆にG大阪ユースや大阪桐蔭が頭角を現してきたときには、パスは回るし、守備でもチャレンジ&カバーがしっかりしているけど、局地戦に弱く、「押してる割にコロッと点を取られる」シーンが目立った。京都でその段階にあるのが京都橘だ。力だけなら全国制覇してもおかしくない。プリンスでも好成績を収めている。しかしぽろっと取りこぼす。こればかりは全国慣れしていくしかないだろう。
さてゲームは8分、東山が引いて受けた19番から上がった5番へスルーパス、橘DFがつり出され、後ろから追いかけて引っ張って倒してPK。これを5番が左隅に決める。1−0。橘DFのポジショニングミス。もう少し我慢できた。警告が出ないだけラッキーだった。その後橘はパスを回す。特に右サイドは突破を見せる。東山は10番のパスセンスや15番のキック精度が見事。橘は6番が頭脳的でいい位置に入りギャップで受けようとしたり、前線のスペースにいいタイミングで飛び出したりと、抜群のサッカーセンスを感じさせる。加藤健太みたいだ。しかしチームメイトが理解できず空回り。1年生ということでまだ信頼を勝ち得ていないのかもしれない。11番(宮吉)の技術や4番(文字)のデカさも見事。しかし局地戦で完敗し、東山陣内深くまで侵入できない。そして26分、4番が東山9番に奪われGKと1対1になり、決まる。2−0。これは全国トップクラスの強豪高なら絶対しないミスだ。28分には橘GKのフィードミスを東山19番カット、左シュートは右に外れる。決定機。橘10番はなかなか上手い。結局前半は2−0。どちらもミス絡みの得点だった。
後半立ち上がりはじっくりとした展開。8分、カウンターから橘10番がドリブル、仕掛けて7番に出しクロスもカット。8分、橘5番ミドルがGKの上を襲う。これは右CKに逃げる。14分、東山の右CK、橘GKキャッチミスもなんとかクリア。15分、橘右クロスのこぼれを10番シュートもブロック。決定機。17分、東山、サイドチェンジから9番が中に出すが、DFスライディングタックルで防ぐ。橘GKはなかなかいい反応をしている。22分、東山、左60度30mFK、15番の右足から9番にあわせるが外れる。24分、橘、左FKで11番がファーでヘッドも上に外れる。橘9番→20番。直後に7番が左突破から20番に出すがGKキャッチ。32分、東山、左シュート、こぼれを19番が決めて3−0。これで勝負アリ。33分には橘10番の右クロスを12番ボレー、DFに当たり逸れる。決定機。東山3番は苦しい時に声の出るいいキャプテン。ロスタイム3分、東山19番→17番。結局3−0でタイムアップ。
個々の能力では京都橘が上だった。6番の動きを理解すれば格段にボール回しも早くなるだろうし、一人一人がもっと激しく当たれば、すぐにボールを奪い返せるのだろうが淡白だった。東山は15番と10番がよかったが、一人一人が懸命に戦っていた。前半の2得点は橘のミスだが、無失点に抑えたのは紛れもない実力だ。
02月12日(日)
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