ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
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■高校女子選手権2回戦 常盤木−広島文教
常盤木は3バックで、小野田がスイーパー、というか、後方に余ることが多いが、3バックはマンマークではなく、ゾーン。小野田が下がるのは癖なのかもしれない。ストッパー的な永井・鈴木はガンガン上がる。小野田以外の全員が攻め上がる意識が強い。WBは中に切れ込みを狙う。また体格データを見て欲しいが、常盤木は圧倒的な高さと重量感を誇る。一方でスピードも運動量も凄い。ここまで身体能力差があれば、なかなか対抗は難しい。15分くらいまで常盤木が一方的にパスを回すが、崩せない。しかし文教もクリアばかりで、カウンターに行けない。文教・和崎が痛む。ドリンクタイムをはさみ、文教・和崎→松岡。左ハーフに入り、奥がLBに下がり、槙原が左CBへ移動。↓の布陣となる。
一方常盤木も二宮→阿部。トップ下に入る。

文教
−−久保田A−吉谷A−−
−−−−−−−−−−−−
松岡−本藤A−渡邊−丹羽A
−奥A槙原−−金山−倉本
−−−−−笠井−−−−−

しかしこの交代が機能する前、27分、常盤木の放り込み、高畑競り勝ち、阿部が流し込む。1−0。常盤木はパスでなかなか崩せないとみて、身体能力差を活かし、放り込みが多くなる。28分、常盤木スイーパー小野田が下がりすぎてオフサイドを取れず、文教・久保田が左を抜け出す。切り返して右足に持ち替えてシュート、しかし5mまで詰めていたGK青柳が超反応でセーブ。ビッグプレーだった。31分、常盤木・道上が右を突破、中央フリーの阿部が流し込む。2−0。権野は左から中への突破を再三見せる。木下には絶妙なスルーパスがある。文教では丹羽が読みのよさで3度ほどパスカットを見せる。結局前半は2−0で終了。

シュート数3対1、CK数1対0、GK数0対0、クロス数6対0。常盤木は途中から力攻めに切り替え、ペースを掴んだ。

ハーフタイムで常盤木・高畑→松山。↓の布陣。

常盤木           
−−−道上@−一原−−− 
−−−−−阿部−−−−− 
権野−木下−−坂本−松山A
−−永井−小野田−鈴木A 
−−−−−青柳−−−−− 

0分、常盤木、右80度25mFK、鈴木がインサイドで狙うが壁。2分、常盤木。道上がDFの前で受けて1人かわしてGKと1対1、流し込んで3−0。道上はトラップが柔らかいし、柔軟性があり、スピードもあって、手のつけようがなかった。一原は、突っ立った姿勢から独特の深い切り返しでDFを外す動きがいい。坂本は集中力が素晴らしい。7分、常盤木、キック力を活かした一気のサイドチェンジ、松山が右サイドをスピード豊かに一気に破り、GKと1対1を左隅に決める。4−0。13分、文教・奥→野原。18分、常盤木・一原→松浦@。トップ下に入り、阿部がFWへ。23分、常盤木、裏へのボールに道上抜け出し、GKをかわし、必死にカバーに入るDFを外し、流し込む。5−0。25分、常盤木・鈴木→繁浪。27分、文教・渡邊が巧みにナナメに走ってスルーパスを受け、左シュート、右に外れる。決定機。29分、常盤木、右CKがファーに流れ、永井が左45度弾丸ミドル、決まって6−0。30分、常盤木、カウンターからタテに入れたボールを阿部ヘッド、GK正面へ。決定機。34分、常盤木、4点目と同じようなナナメのサイドチェンジ、松山右シュート、左隅に飛ぶがGK笠井セーブ。決定機。結局6−0で終了。

後半のシュート数は9対2、CK数3対1、GK数1対5、クロス数8対0、ファウル数1対2。常盤木の猛攻が続いた。ただ文教も決定機は作った。

常盤木は今年のU−20W杯に大量に人材を送り出した2年前のチームが強烈だった。今回はそこまでスーパーなチームではない。しかし言い換えれば、常盤木のベーシックなレベルの高さが感じられた。道上は「怪物」と評しては女子に悪いので、「スーパールーキー」と表現しておこう。しかしチームの中で突出しているわけではなく、周囲のレベルの高さが感じられた。常盤木は高さ・パワー・瞬発力といった身体能力に加え、自在にパスを回す技術もポジションチェンジを多用する戦術眼もある。オールマイティなチームだ。


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07月26日(月)
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