ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
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■雑文・ジャパンカップの記憶(サッカーと無関係)
この状態を身近なもので簡単に表現するとこうなる。壁際に三角形状のものを置く。直角二等辺三角形ではなく、30度・60度・90度くらいのものが良い。これを指先で押しても壁に平行にしか進めない。壁に対し30度くらいの辺を45度くらいの角度から押してやると三角形状の物体はどちらの方向へ動くだろう?
|壁|___________
|壁| / 指
|壁| 三 / / ← 左斜め下方向に押す。
|壁| 角 / /
|壁| 形 / /
|壁| 状 / /
|壁| 物 / /
|壁| 体 / /
|壁| / /
|壁| /
|壁| /
|壁|/
図の上側に進むことになる。あたかも指で押す力が壁で跳ね返されて押し出されるようだ。指で押す力に対しどちらかと言えば手前側に進む。壁が艇底、三角形上のものが帆、指で押す力が風ということだ。このような原理によりヨットは風上方向に進む。風上方向へまっすぐ進むことは不可能だし、風上方向に近い角度なら艇速が出ない。また風上方向に対し垂直に近ければ艇速は出るが、いつまで経っても風上マークには近づけない。艇速と風上マークへの道のりとの妥協点から結局風方向に対し45度くらいの角度で90度方向転換を繰り返しながら風上マークに接近することになる。
ここで重要な点がひとつある。マッチレースで風上に向かうときは先行艇が有利ということだ。後行艇の風をブロックして艇速を奪いながら進めるわけである。後行艇としては先行艇を避けるしかないわけだ。海上の風の強さは一様ではなく、強く吹く海面もあれば、弱い海面もある。先行艇は当然風の強く吹く海面を狙う。後行艇ももちろん狙うが、先行艇は90度方向転換(タッキングという)によって後行艇の風を奪いにかかると同時に少しでも風の弱い海面に追いやろうとする。後行艇としては黙って不利な海面に追いやられるわけにはいかないので、先行艇に風をブロックされないよう、不利な海面に追いやられない様につかず離れずのレースとなる。そうなると先行艇としてもブロックしないわけにはいかないので、タッキングを繰り返す。後行艇が逆転する方法は通常2つだけ。ひとつは先行艇とは全く別の海面を進み、風の流れが変わって有利な海面に変化することだ。ギャンブル性の高い方法である。しかし天候を読むことは難しい上に、先行艇が後行艇と同じ海面に進み徹底的にブロックする作戦をとればどうすることも出来ない。もうひとつの手段はひたすらタッキングを繰り返すことで先行艇にもタッキングを強要し、ミスを誘う。いわゆるタッキングマッチである。体力勝負であり、セーラーとしては経験不足で体力だけで選ばれた人材が揃うニッポンチャレンジの得意技である。
さてジャパンカップの第2レグでパシェ艇は頑張った。僅差で先行のギルモア艇を追撃した。そして山場となったシーンの状況は次の通りである。
↓風
↓方
↓向
↑パシェ艇↑ ↑ギルモア艇↑
右ナナメ上へ進行 / \ 左ナナメ上に進行
/ \
/ \
両艇が激しく接近、ギルモア艇はパシェ艇の進路を直前で横切りタッキングに成功する。するとどういうことが起きるか?
風方向 \\\\ |ギ||パ|
左ナナメ \\\\ |ル||シ|
上が風上 \\\\ |モ||ェ|
\\\\ |ア||艇|
\\\\ |艇|| |
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08月03日(火)
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