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サッカー観戦日記
by T.K.
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■関西学生春季リーグ 1−2部入れ替え戦 第2戦 近畿大−大教大
キックオフ直前は両チームとも声が出ず、重苦しい空気が流れる。ボールをつなぎ江本とSB、SHを崩そうとする近畿大だが、人数をかけて守る大教大のサイドを崩せず、逆サイドに振っても必ず大教大の選手がいるという状況である。大教大はカテナチオ的な守備をよく研究しているようで、なかなかスキをみせない。DFからのボールは不正確だがFWに繋がれば突破から強引なシュートを狙う。11分、大教大ほぼ正面からの30m弱のFK、宮浦(4年・鳴門)が左足で狙い、DFに当たってクリアミスしたボールをRB金川(4年・八尾)が狙うがDFブロック。得たCKで宮浦のボールを近畿大GK花水(3年・国見)がパンチミス、ファーで待っていた長手がダイレクトで狙うがわずかに外れる。13分、近畿大も寿(2年・G大阪Y)のクロスがファーに流れる杉本に合うが、大教大・御神本(1年・畝傍)もきっちり体を寄せ、足先だけのシュートに終わった。15分、大教大・得意のカウンター宮浦のパスから大北(4年・茨木)へ、ややシュートタイミングを逃がしDFにブロックされるが、決定機になりかけた。直後のCKでGK花水がかぶってしまい稲垣がボレー、これはDFがライン上クリア。近畿大はアーリークロスをどんどん上げる攻めに変える。21分、近畿大のロングボールに大教大CB三好がかぶり、浅野(2年・G大阪Y)が独走するところを三好が手を掛けて倒しPK。警告は無し。ピッチ内もスタンドも空気が重い。大教大応援団からの「外すぞ、外した!」と言う声だけが響く。浅野のキックはポストを叩き、GK菅野が押さえる。27分、大北が佐々木(2年・桐光)背後から迫り不意をついたチャージで奪い、宮浦へ出すが息が合わず。28分、大教大のCK、宮浦のいいボールからの空中戦のこぼれをファーの長手がダイレクトで狙い、これが御神本の足元へ、きっちり押し込み大教大先制!トータルスコアで同点に追いつく。しかし近畿大はキックオフ直後左に流れた杉本のクロスを浅野があっさり決め同点。誰も浅野を捕まえておらず、集中力不足と言う他はない。31分、近畿大CKで石橋(3年・桐光)のボールが佐々木の頭にぴったりあい、逆転。身長差がありすぎた。33分、江本のミドルがポストを叩く。36分には石橋の左クロスを江本が足で決め3点目。これもマークミス。大教大は近畿大の放り込みにDFが下がりすぎ、そうなると空中戦では勝てないのでMFも下がり、こぼれ球が拾えない上に後方からの飛び込みに対処できず、混乱状態に陥った。38分、ボールを放したあとの近畿大RB足立が大教大・天野にぶつかる。判定はなんと一発レッド。足立は不可抗力のつもりか、よけるそぶりも見せなかったので警告は当然だと思うが、やや厳しい判定だった。近畿大は藤原をRBに下げて対応。大教大は攻撃面で見せ場のなかったRH中田(3年・龍野)→柴田(1年・千里)。43分、近畿大・杉本の左クロスに小寺が飛び込み、正面5m前方全開でスライディングシュートも上に外す。普通は決まる。見所満載の前半終了。第1戦からトータルで近畿大3点リード。

後半近畿大はゆっくりボールを回し、なかなかクロスをあげない。技術の低い大教大はパスを回せず、空中戦も弱く、ただ走らされる展開。それでも6分、左クロスから柴田のヘッドがバーをかすめる。しかし7分、近畿大・浅野が大教大・大西(2年・四条畷)の甘いコントロールをかっさらい、決めて4−1となり、完全に勝負はついた。浅野は手を使って大西を押してバランスを崩したが、主審・副審から見えない巧妙な裏技だった。大教大はばったり足が止まり、近畿大がパスを20本以上つなぐシーンも出てきた。近畿大は着々と点を重ねる。大教大も宮浦の左クロスに長手が鮮やかな左足ダイレクトボレーを決めるが、結局7−2で近畿大が圧勝し1部残留を決めた。

大教大のカテナチオは戦術理解としては上出来だが集中力の欠けるシーンが何度も見られた。体力面・精神面が不足していた。日本では食わず嫌いというか、カテナチオの有効性がどうもあまり理解されていない。最近「徹底的に守ってカウンター」型のチームが少ないだけに大教大の狙いは興味深いところだ。


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06月21日(土)
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