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妄想にっき
by 有明
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■心は孤独なアトム
私あんなの商業で初めて見たよ。
子ども歌舞伎の方がよっぽど上手いよ。
その子が一番酷かったけど滑舌良い人が一握りで
残念な人の方が多いってどういうこと…みたいな。
詳しくないのですが、なんかの研究生の発表会的なアレな…の?
正直死んでも〜もあんまり演技が上手くない人たちだと思ってましたが
そんなの比じゃなかった。
演出と脚本もポカーンだったけどまずこのことに脱力した。



演出は唐突に歌やダンスが繰り広げられるのも謎なんだけど
劇中に何度か印象的な詩を読みあげるのですが
結局それはなんだったんだよ!的なもやもや感が残った。
「死んだ男の残したものは、○○と○○、
それ以外何も残さなかった。」
「死んだ兵士の残した者は、○○と○○、
それ以外何も残さなかった。それ以外何も残せなかった。」
こんな感じの。意味がありそうでどこにも繋がらないような。

劇中にプロデューサー役の人が客席に向かって
わかっていないくせにわかったような顔をして
文句を言いやがってこのインテリ気取りが!
的なことをキレながら言うのですが(細かいセリフは忘れた)
これを考えた脚本家は疲れてるのか?と思った。
要するにこの芝居は表面を見ただけではわからない
深いものがあると言いたいんでしょうか。
まあブラックジョークのつもりなんだと思うけど笑えない。
そもそも分りやすい作品にしろとは言わないし
すぐに辿り着けないからこそ面白くて深みが出るんだとは思うけど
人に伝わらない・伝えられない作品なんて
ただのオナニーなんじゃないの?と思うな私は。


役者時代のトシオが千秋楽でセリフをとちった!
ってなじられるシーンがあるのですが
この「心は孤独なアトム」の千秋楽でも
それまでちゃんとセリフ言えてた人まで間違えたりして
グダグダだったからこのセリフが身に染みてる人いるんじゃないかな。
あといつまでも小劇場で演技していてもしょうがない、とかも
結構グサッときてる人はいそうです。
この芝居妙に攻撃的なとこあるなと思う。
いじめをする子は狂犬病に罹った犬と同じ、とか。


最初にウランが自殺を図るとき
原子が自殺を図るとき
そして先輩の母親が死期が近い息子を前に嘆いているとき
この3シーンで林檎の皮を剥いているけど
これが何を意味しているのかちょっと私にはわからなかったな。

あと最後マリがしょっ引かれるときに
トシオを綾子が促すときのセリフが?だった。

先生(トシオ)はマリさんが出てくるまで待ってるんですよね!?
赤いポストは手紙を入れてくれるのを待っている!
海岸に捨てられた空き缶は掃除してくれるおじさんを待っている!
世界中の人々は平和になるを待っている!!
そんな風に先生はマリさんを待っているんですよね!?

性格な単語は忘れたけどそんな感じのセリフだった。
最後の世界中の人々は置いておくにしても
ポストが手紙待ってるとかゴミが掃除してくれる人を待ってるとか
それは人が勝手に良いように無機物に押し付けた
こうだったらいいなっていう感情であって実際は待ってないじゃん。
ここでトシオの感情を例えるには不適切だと思うんだけど。
意味不明でエッ?ってなった。

タイトルになっているアトムも
アトムは幸せだったんでしょうか…とかちょいちょい
絡めてくるけど強引だし繋がるピースを探しても
見つからなくてもやもやする感じ。
結局のところ何が言いたいねん、って感想です。
同じもやもやする系なら体感季節の方が大分面白かったなあ。
4回観た今も混乱してるので
とりあえずDVDでもう1回みたいと思います。

唯一過去回想と現在のセリフがリンクする演出は好きだった。

02月10日(水)
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