ID:40243
妄想にっき
by 有明
[571145hit]
■心は孤独なアトム
マリに出所してくるまでずっと待っていると告げることができました。
やっと大切なことを言えたことに満足感を得たトシオは
そのきっかけをくれた女子高生に感謝し
ふと彼女の名前すら知らないことに気づきます。
千代子と別れるとき彼女はこんなことを言っていました。
自分が女の子を産んだら綾子と名付けると。
女子高生の名前は綾子でした。
以上が大分割愛したけどあらすじ(?)です。
簡単に言うと堕落したおっさんが元気を出すまで。
いい歳こいてうじうじぐだぐだ言いやがってよぉ、
んなもんは自分の日記帳にでも書いて解決しろよ。
…と言いたくならなくもない。
見ようによっては綾子の存在もおっさんの「心の旅」
の一部で実際には存在しないものとしても取れると思う。
○水田君
この舞台はミュージカルではないのですが
芝居の途中で何の脈略もなく唐突に歌とダンスが入ります。
しかもそれが作品においてあんまり意味があるように思えない
不思議な芝居である…。
作品の大筋に意味はなくても
それによってエンターテイメント性が高まって舞台を楽しめるか?
って言うとそうでもないんですよね。
困惑が深まっただけだった…
水田君は上で書いた通りトシオの役者時代の役なのですが
小学生時代の回想にもカラオケの店員役として少しだけ出てきます。
カラオケの「オケ」の文字のエプロンをつけていて可愛いです。
このエプロン姿でのダンスと
黒スーツでカッコいい系のダンスの
計2回ダンスシーンがあります。
あと関係ないけど日替わりのアドリブではなくて
本当にセリフとして「笑顔同封」と「笑顔封印」があります。
(どちらも言うのは千代子)
水田君が演じるトシオはなんとなくぶらぶら夢を追っている青年で
まあ言わば根無し草ってヤツです。
元々そんなにきっちりした人間ではなかったようで
大学時代も何年も留年した過去があるようです。
彼女の千代子のことも人に紹介するときは
彼女じゃなくて同じ劇団員と紹介するちょっとずるい男です。
でも先輩からは可愛がられているし
本当は本当に妊娠していた千代子もトシオのために
身を引いてあげたことを考えると
トシオは人から好かれる、憎めない人物だったことが窺えます。
妊娠が嘘だって言われてあからさまに安心した風な
リアクションを取るのですが
彼女の嘘に気づいていないわけがないと思うのです。
と言うかあれで気づかない人間はただのアホです。
それを知っていながら彼女の嘘に甘えるのはやっぱりずるい男だなと。
でもきっと彼女はトシオのそんな駄目で
でも優しい所が好きだったのかなと思ったりする。
そんな人物を水田君が演じていてどうなんだって話なのですが
正確な年齢は出ていませんが
きっと役者時代のトシオは25〜30くらいだと思うので
やっぱりちょっと若すぎるかな?という感じはしたのですが
私はわりと似合ってると思いました。
普通っぽさと人好きのする笑顔がそういう人物っぽいかなと。
その前の死んでも〜が19歳のアルバイターだったので
やっぱりそっちの方がぴったり役柄に
合っていたとは思うんですけど。
○全力でつっこみながら感想
女の子が一人林檎の皮を剥きながら出てきて
その手に持ったナイフで自殺を図ります。
それを唐突に出てきたアトムが止めて説得。
女の子は「未来は明るいんだね!」と気を取り直して元気に。
手塚治虫のキャラに扮装した役者達が大量に出てきて
鉄腕アトムのテーマを全員で歌って踊り狂う。
…というのが幕が開いて1番最初の展開。
次のシーンで綾子が書いたシナリオの内容だと判明するんだけど
最初見たとき真剣にどうしようかと思った。
しかもその自殺を図る女の子(ウラン)が
滑舌が悪くて何言ってるかわからん上に
演技がど素人にもほどがあるだろってくらい本気で酷かったので
その時点で私は本気で帰りたくなった。
最悪のファーストインプレッションだった。
[5]続きを読む
02月10日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る