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妄想にっき
by 有明
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■心は孤独なアトム
もう1つは脚本家を目指す前、売れない役者時代のこと。
この2つの過去回想が現在と同時進行で
何の説明もなくコマ切れで進むので初回は???でしたよ。
水田君の役はこの売れない役者時代のトシオ(松永)です。
小学校時代、トシオはどうやら関西に住んでいたようなのですが
そこへ東京から来た標準語の転校生の女の子がやってきます。
女の子は周りと違う話し方と家が貧乏だと言う理由で
あっという間にクラスの皆からいじめられてしまいます。
トシオだけが彼女を庇い、一緒に遊んでいたのですが
他のクラスメイトからそれを非難され
彼女を貶さないとお前も仲間だと脅されて
彼女に「臭い」と言ってしまいます。
彼女には母親もおらず父親は飲んだくれ、
拠り所を失くして自殺しようとしますが
担任の教師に止められ親身にしてもらったことから
自殺を思い留まります。
彼女がまた転校していく日、
トシオ、彼女、教師の3人で顔を合せましたが
トシオは彼女に謝ることはおろか
何一つ声を掛けることが出来ませんでした。
これがトシオの心の引っ掛かりその1。
売れない役者時代、トシオは大学を卒業後
小劇団に所属し小さな舞台に立っていました。
将来は大スター!と夢を抱いていましたが
実際は千秋楽の舞台でセリフととちってしまう役者でした。
このときトシオは同じ劇団に所属している千代子と付き合っていますが
千代子は将来を見据え、このまま劇団でくすぶっていても仕方がないと
退団し他の仕事に就くことにしました。
(ちゃんと仕事する!と言いだしたのにそれがバイトで
すげー驚いたのですがそういう時代だったのかな?)
またトシオには良くしてもらっている
大学時代からの先輩がいるのですが
実はその先輩がガンでもうすぐ死んでしまうことを知ります。
そんな風に周りの人達が変わっていくのを感じて
アテのない大きな夢を見ていたトシオも自分のことについて
考え始めたのかも知れません。
そんな時千代子に妊娠していることを告げられ
結婚してほしいと言われます。
まだ自分の心すら定まっていないトシオは
自分はまだどうなるか分らないから考えさせてほしいと
まあ遠回しに断ってしまうわけです。
千代子からの告白に動揺しているときに
入院しているはずの先輩がふっと現われて
トシオには自分の分まで夢を追ってほしいと言い去っていきます。
その直後に先輩の訃報の知らせがあり
トシオは先輩が死ぬ前に会いに来てくれたことを知ります。
(もちろん虫の知らせ的な意味で)
ちなみにこのことがトシオの胸に深く残り
脚本家となったトシオの作品に大きく影響を与えることになります。
先輩を見送った後、トシオは役者としての才能はないから
脚本家を目指すことを決意します。
それを聞いた千代子は妊娠は嘘だった、田舎に帰ってお見合いをする。
と別れを切りだします。
もし今「見合いなんてするな、俺と結婚してくれ」
と言われたらそうする。と千代子は最後の選択をくれますが
結局トシオは千代子をただ見送りました。
これがトシオの心の引っ掛かりその2。
現在の話に戻ります。
女子高生がトシオの元に飛び込んで来てから少しした頃
泥酔していたトシオが車に轢かれそうになったところを
通りすがりの女性(マリ)が救いました。
マリはそれが切っ掛けでトシオの家で家政婦として働くことになります。
女子高生とマリと打ち解け合い、
すっかり明るさを取り戻しつつあったトシオでしたが
実はマリは殺人犯で警察に追われる身でした。
(殺人理由は割愛するけど同情を引く系)
トシオの家まで警察の捜査の手がのび、マリは自首を決意します。
マリが刑事に連れていかれようとするとき
女子高生にこのまま黙って見送っていいのかと言われます。
トシオはこれまでの肝な時に大事なことが告げられない自分
(上記で説明した小学生時代と役者時代の話)
を思い出し、その後悔から自分の心を昇華させ
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02月10日(水)
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